日本高野連は1日、大阪市内で理事会を開き、来年の公式戦から指名打者(DH)制を採用すると発表した。全会一致での承認で先発投手が指名打者を兼務できる「大谷ルール」も適用される。

来春センバツから実施される。

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 ◆記者の目 高校野球のDH制導入に伴い、今後は同制度を導入していないセ・リーグの動向に注目が集まる。WBCや五輪など主要国際大会で採用され、米大リーグでは1972年から施行されているア・リーグに加え、22年からはナ・リーグが正式に導入した。日本のアマ球界では、東京六大学連盟と関西学生連盟が来春のリーグ戦から採用し、これで全日本大学連盟に加盟する全27連盟でDH制が実現する。

 巨人軍前監督で、オーナー付特別顧問の原辰徳氏はかねて、「子供たちに対して教育的。レギュラー9人を10人にできる。そうしたら(セがDHになれば)高校野球も少年野球も絶対そうなると思う」と話していた。今季の交流戦は63勝43敗2分けとパ・リーグが圧倒。DH制が投手のレベルアップやスラッガーの起用、育成、選手のコンディション維持などにつながっているとの見方も強い。

 今後は高校では打席に立っていない投手がプロ入りするケースが生まれるだろう。継続的にDH制の是非を議論してきたセでも、導入の機運が高まる可能性がある。(NPB担当・長井 毅)

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