米大リーグは7月31日(日本時間8月1日)にトレード期限を迎え、ナ・リーグ西地区で首位ドジャースを3ゲーム差で追うパドレスが、最終日だけで22選手が絡む5件のトレードを成立させる大補強を敢行した。有望株を続々と放出し、即戦力を獲得。

打倒ド軍への執念を示す1日となった。

 アスレチックスからクローザーのミラーと左腕シアーズに加え、オリオールズからDH兼一塁手のオハーンとロレアノ外野手を獲得。ロイヤルズからはフェルミン捕手を補強し、1日(同2日)カージナルス戦の予想スタメン野手には早速、オハーン、ロレアノ、フェルミンの3人が名を連ねた。パ軍打線は上位と下位の実力差が弱点とされ、これを埋めた形。プレラーGMは「10月までプレーできるチームになった。よりよいチームにできた。これから数か月が楽しみだ」と胸を張った。

 現チームを強化するため、大きな代償を払った。スタメン級を獲得する交換要員として、下部組織の有望選手の大半を放出。メジャー全体の有望株ランキング3位(球団内1位)のデブリース遊撃手を筆頭に、右腕ネット(同3位)、左腕ベイトマン(4位)、ハイタワー内野手(6位)、右腕バーガート(7位)ら、未来を担うはずだった若手を手札として切った。

 全ては、大谷を擁する宿敵ド軍を上回るため。来季以降のことより、今季に全てを懸けて、持ちうる交渉材料を“オールイン”した形だ。

前日に今季初勝利を挙げたダルビッシュの「日本の皆さんはドジャースに勝ってほしいと思っていると思うので、そこを僕たちがひっくり返したいなという気持ちはある」という言葉を体現するように、なりふり構わぬ補強を行ったパ軍。執念の大補強が、シーズン終盤とポストシーズンで実を結ぶか。

 ◆パドレスVSドジャース 20年から補強で強豪となったパ軍だが、ドジャースは超えたくても超えられない“目の上のたんこぶ”。近年は地区順位で上回ったことは一度もなく、ド軍を倒したのは22年地区シリーズが唯一。本拠地での「BEAT LA!(LAをやっつけろ!)」コールは恒例だ。ライバル関係は過熱の一途で、乱闘騒ぎもしばしば。6月19日にはスアレスの大谷への報復死球を機に乱闘に発展しそうになったが、大谷がその場を収める一幕もあった。

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