◆パ・リ-グ 西武11―2ロッテ(1日・ベルーナドーム)

 天敵を崩すには足攻めしかない。初回無死一塁。

四球で出塁した西武・西川愛也外野手(26)がいきなり仕掛けた。「いけるタイミングだったのでいきました」。続く長谷川の初球で二盗に成功すると、さらにカウント2―1からの4球目。「勇気を振り絞っていきました」。自身プロ初となる三盗を決めると、長谷川の二ゴロの間に生還した。

 ロッテの先発・小島には22年8月6日の対戦から13連敗中だった。チームとしても個人としても、どうにかして崩したいという思いは強かった。「小島だから盗塁を仕掛けたのか?」という問いに西川は「それは言えません」とニヤリとした後で言った。「最近、チーム全体として足でかき回せていなかった。そういうところをもう一度意識してやろうという話だったので、いけてよかったです」。左腕を揺さぶると2回には打者10人、6安打の猛攻で5得点。3回までに8点を奪って小島をKOした。

 「フォークボールを見極めて真っすぐを仕留めることができました」と振り返ったのは、2回1死満塁で小島から放った左前適時打。8年目で初めて大台に乗せる今季100安打目に「もっともっと上にいけるように頑張りたいですね」。球宴後は6試合連続安打と上り調子だ。この日から鮮やかなブルーの限定ユニホームを着用し「お気に入りですけど汗をかいて3度、着替えました」。さわやかに笑った1番打者が、8月攻勢の主役になる。

(秋本 正己)

編集部おすすめ