◆JERAセ・リーグ ヤクルト1―5阪神(2日・神宮)

 今季の阪神の強さは多くの野球ファンも実感しているだろうが、来季以降も黄金期が訪れそうな充実ぶりだ。2回に小幡、高寺と若手のアーチ攻勢で早々と2点を先制。

小幡は続く打席でも中堅左に一発を放った。彼らの日々の努力の証しと言えるが、春先からチャンスを与えられてきたからこそ、打撃のコツや極意をつかみつつあるのだろう。

 前任の岡田監督も就任時は小幡の遊撃起用を構想していたが、最終的には安定感のある木浪に落ち着いた。そこから2年がたち、藤川監督は将来も見据えた布陣が必要だと考えているのだろう。選手は試合で使ってこそ伸びる。スカウトの眼力はもちろんだが、出場機会を得た若手が輝き始めている。

 投手でもこの日、岩崎の出場選手登録を抹消したが、石井、及川、桐敷、湯浅ら代役候補が控えている。才木も6回、76球でスパッと代えた。これもシーズン序盤に様々な投手にチャンスを与えてきた結晶と言える。独走しているからこそ、さらに思い切った起用、采配ができる好循環。勝利と育成の二兎(と)を追う圧巻のシーズンになっている。(スポーツ報知評論家)

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