◆JERA セ・リーグ 巨人4―7DeNA(2日・東京ドーム)

 反撃ののろしを上げる一発に、劣勢で静まり返っていた巨人ファンが沸き返った。5点を追う6回2死二塁、キャベッジは、カウント2―2からDeNA先発・ケイの投じた高めの154キロ直球を強振。

「タフな戦いになるだろうなと思って打席に向かった。打てたことを神様に感謝したい」。大歓声に包まれた打球は左中間席に着弾する2ラン。見届けた助っ人は悠々とダイヤモンドを一周した。

 7月11日のDeNA戦(横浜)でスタメン出場するも、体調不良を訴えて途中交代し、翌12日に登録抹消。同26日の広島戦(マツダ)で1軍に再昇格して以降は7戦連続で4番に座る。同29日の中日戦(バンテリンD)で2本塁打を放つなど、直近は5戦3発と主砲の役割を果たしている。

 “原点”に立ち返った。全体練習開始前、観客席を歩きながらグラウンドを眺めた。「幼い頃、野球の観戦に行くのが何よりも楽しみだった。子どもの頃に返るという意味も込めて」と、自身の本塁打が飛び込んだ左中間席付近で思いを巡らせた。メジャーリーガーのアーチに心を奪われた幼少期の自身と同じ思いを、観戦した子どもたちに与えたはずだ。

 チームは借金3と苦しい戦いが続く。「これからも打ち続けて貢献していきたい」。上り調子の背番号13が、上昇気流を巻き起こす。(加藤 翔平)

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