◆米大リーグ カブス―オリオールズ(2日、米イリノイ州シカゴ=リグレーフィールド)

 オリオールズ・菅野智之投手(35)が2日(日本時間3日)、敵地・カブス戦に先発し、5回95球を投げて、5安打3失点、5奪三振と粘投を見せたが、援護に恵まれず9勝目(5敗)を逃した。「3番・指名打者」でスタメン出場した鈴木誠也外野手(30)とのメジャー初対戦は中飛、四球、二ゴロの3打席無安打だった。

 初回先頭のブッシュはフルカウントから10球目のカーブで左飛。データサイト「Baseball Savant」によると、30球団の本拠地のうち14球場で柵越えだった大飛球だったが、左翼手のカウザーがフェンスに激突しながら好捕した。2番タッカーは外角低めのスプリットで空振り三振。2死走者なしで迎えた誠也との1打席目は、初球のカットボールで飛距離337フィート(約103メートル)という大きな当たりだったが、中飛に打ち取った。菅野はメジャー21試合目の登板で初の日本人対決だった。

 2回は先頭のクローアームストロングを二ゴロに打ち取ったが、ハップにはカットボールをはじき返されて右翼へ二塁打。続くカストロにも左前安打を許して1死一、二塁のピンチを迎え、ホーナーに左翼フェンスの茂みにボールがはまるリグレーフィールドならではの適時二塁打を許して3連打で先取点を献上した。さらに1死二、三塁とピンチは続き、マグワイアにも左犠飛。2死二塁でショーにはピッチクロック違反で初球を投げる間に1ボールとなる不運もあったが、空振り三振で踏ん張った。

 3回は先頭のブッシュを一ゴロ。タッカーも左邪飛に打ち取った。誠也との3回2死走者なし2打席目は、フルカウントから四球を与えたが、続くクローアームストロングから空振り三振を奪った。

4回は先頭のハップを右飛。続くカストロの当たりを右翼手のジャクソンが後逸して三塁打となり、ホーナーに右前適時打を許してリードを3点に広げられた。さらに三塁手ウェストバークの失策で2死一、三塁のピンチを迎えたが、ブッシュを初球の直球で中飛に打ち取った。

 3点ビハインドの5回は、先頭のタッカーは見逃し三振。1死走者なしで誠也と3度目の対戦を迎え、二ゴロに打ち取った。2死からクローアームストロングからも見逃し三振を奪って、初回以来の3者凡退で抑えた。

 菅野は前回登板の7月27日(同28日)、本拠地・ロッキーズ戦では、6回91球を投げ、4安打1失点で後半戦初勝利となる8勝目(5敗)をつかんだ。7月31日(同8月1日)に期限を迎えたトレード市場では、移籍候補の1人に名前も挙がっていたが、多くの同僚が移籍する中、菅野は残留。チームは借金10の地区最下位と苦しむ中、再スタートとなるマウンドになった。

 この日が21試合目の登板。防御率は4・42となった。前回登板の試合後にはこれまでのメジャー1年目を「色んな経験が出来た。

いい時も、悪い時も経験できた。6月から今に至るまであまりよくなかったけど、そういう経験を生かして、この先戦っていければいいと思います」と振り返っていた。

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