中日の中田翔内野手(36)が15日、バンテリンDで会見に臨み、今季限りでの現役引退を表明した。

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 開幕直後、中田さんは「迷子」を救っていた。

「自分がいいと思ったことだけやればいい。結果を出せば、誰も(文句を)言ってこない」。真面目な性格がゆえに助言を取り入れすぎ、打撃を見失いそうになっていた後輩選手。「自分もブレて見失ったことがあったから」と失敗談を共有し、優しく寄り添った。

 長引く腰痛を改善しようと、15キロ減量した。「満足のいくスイング」だけを求め、できる治療はすべて受けてきたつもりだ。「それでもダメだったら、やめるしかない」。スラッガーとして求められるのは、本塁打や打点。それらを残すことができないと判断したから、引き際は潔かった。

 見た目は怖そうだけど、思いやりのある中田さん。「痩せようと思っても、全然痩せなくて…」と嘆く私にも、全力でぶつかってくれた。「ほんまに痩せようとしてるん? 結果が出てないなら、やってないのと同じやで!」。

今では立派な1軍戦力となった後輩選手と同じように、怠惰な私にも教えてくれたストイックさ。コツコツとダイエットを続けています。18年間、本当にお疲れさまでした。(24、25年中日担当・森下 知玲)

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