◆第107回全国高校野球選手権大会第13日 ▽準々決勝 山梨学院11―4京都国際(19日・甲子園)

 連覇の夢が途絶えた。昨夏の胴上げ投手・西村一毅が6回10安打9失点(自責5)、5四死球。

甲子園では同校初となる2ケタ失点を喫し、「球が通用しなかった」と視線を落とした。

 同じ左腕の先輩・森下(DeNA)に憧れて入学。しかし、故障や体調不良が重なって練習を休む日が続き、1年の夏前に「やめたい」と心が折れかけた。引き留めてくれたのは仲間たち。「それがなかったらこの場に立てていない」。奮い立った左腕は、昨夏甲子園で24イニングを投げて防御率0・00で初優勝に貢献。現チームではエースとして戦い抜き、小牧憲継監督(42)も「すぐ逃げ出してしまう子だったが、打たれても歯を食いしばって向かっていってくれた。成長を感じる」とたたえた。

 4年後のプロ入りを掲げ、卒業後は進学する。「一から足りないところを埋めて、チームを勝たせる投球ができるように」。史上7校目の夏連覇を目指し、地方大会から投じた855球。全てを糧とし、新たなステージに向かう。

(瀬川 楓花)

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