◆JERA セ・リーグ ヤクルト7―2巨人(20日・神宮)

 大きな弧を描いた打球が右翼ポールの内側に入った。ヤクルト・村上宗隆内野手(25)は、一塁塁審が手を回す姿を見るとペースアップしてベースを一周した。

「難しい球でしたが、うまく打つことができました」。己に厳しい男が珍しく自賛したアーチは0―0の2回先頭で生まれた。2ボールの後、森田の内角のツーシームを完璧に捉えた。

 今オフにポスティングシステムを利用し、メジャー挑戦を表明している背番号55。ドジャース、Rソックス、カージナルス、アストロズ、エンゼルス、フィリーズの6球団が視察した“御前試合”でアピールに成功した。ド軍のゲレン・カー副社長は「特定の選手のコメントはできない」とした上で「長年にわたって」村上を追いかけていると明かした。また、あるア・リーグのスカウトは「打球速度はメジャートップクラス。獲る球団は絶対ある」と高評価。12日のDeNA戦(神宮)ではデビッド・スターンズ編成本部長ら5人体制で視察したメッツを含めた4球団が熱視線。注目度は上昇中だ。

 19日のカード初戦では2―15で大敗する屈辱を味わったが、一夜明けて主砲の先制弾で勢いづいた打線は7点を奪い大勝。ツバメの主砲は「あと4回、今週(神宮での試合が)ある。

ちょっと空席が目立つので球場に足を運んで熱いご声援を」と冗談交じりに呼びかけた。上半身のコンディション不良から復帰後20試合目ですでに8発。量産態勢に入った大黒柱から目が離せなくなってきた。(長井 毅)

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