第107回全国高校野球選手権大会は21日、甲子園で準決勝2試合が行われる。ベスト4の各校は20日、兵庫県内でそれぞれ調整した。
夏空に快音を響かせた。甲子園で歴史的名勝負を演じた前日19日の横浜戦から一夜明け、県岐阜商ナインは気持ちを切り替え、打撃練習に心血を注いだ。変化球に定評のある日大三のエース・近藤を想定してのフリー打撃。横山も強い打球を放ち、汗を流した。
「万全な状態で臨めそうです。今大会は全試合でヒットが出ているので、感覚的にすごくいい状態。次はもっと貢献できるように、いい場面で打てたらと思っています」。4試合で16打数5安打の打率3割1分3厘、2打点。鍛錬の成果を夢舞台で出せている自信が、表情から漂った。
横浜戦では高校球界屈指の好投手である152キロ右腕・織田翔希(2年)と146キロ左腕・奥村頼人(3年)らに16安打を浴びせ、打ち勝った。「みんなどんどん攻める姿勢で挑んで、ああいう結果になった。
4強唯一の公立校が快進撃。この日はテレビのワイドショーでも特集されるなど、世間から熱視線を浴びている。全てを力に変える。「自分のこういうハンデがあって、注目してもらっているんですけど、大きな舞台でやれるんだぞ、というところをまだまだ皆さんに示していきたい。自分と同じような境遇の子たちにも、勇気や希望を持ってもらえるように、プレーをしていきたい」。自分のためだけじゃない。だから頑張れる。
69年ぶり5度目の決勝進出へ、データも後押しする。過去、甲子園で岐阜勢は東京勢に6勝0敗。