第107回全国高校野球選手権大会は21日、甲子園で準決勝2試合が行われる。ベスト4の各校は20日、兵庫県内でそれぞれ調整した。

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 関東第一のためにも負けられない。準々決勝では同校との「東京対決」に勝利した日大三。本間律輝主将(3年)は試合後、関東第一の越後駿祐主将(3年)から「優勝しろよ。頑張れ」と声をかけられた。「関東一高さんの分も背負って戦わないといけない。何とか(優勝まで)頑張らないと」。託された思いを胸に刻んだ。

 三木有造監督(51)は「何十年見た中で一番(バットを)振ってきた」と太鼓判を押す。3試合で打率3割1分1厘を残しつつ、11犠打を絡め4強入り。強打が自慢だが、それだけに頼らない。6月には、午後11時まで練習した日もあった。本間主将は「(練習を)やってきたという自信はどこのチームよりもある」と努力を自信に変えた。

 この日、選手の要望で行ったフリー打撃では快音が響いた。今大会2本塁打の田中諒内野手(2年)はサク越えを放つなど力強い打球を飛ばし「自分のスイングができている。打ち勝っていきたい」。三木監督は「多少疲れていると思うが、ここまできたらやるしかない。自分たちの打撃ができるかどうか」とやる気十分のナインを見つめた。

 準決勝で対戦する県岐阜商は、横浜(神奈川)の豪華投手陣を攻略した。ただ、点の取り合いには自信がある。4番も務める本間は「点を取られても取り返す力がある。(相手は)勢いがあるのでそれに負けないように、打ち勝ちたい」と闘志を見せた。決勝に進めば、全国制覇を成し遂げた11年以来14年ぶり3度目。準決勝でも自分たちの打ち勝つ野球で勝利をつかむ。(高澤 孝介)

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