第107回全国高校野球選手権大会は21日、甲子園で準決勝2試合が行われる。ベスト4の各校は20日、兵庫県内でそれぞれ調整した。

“2年生新怪物対決”となる沖縄尚学の最速150キロ左腕・末吉良丞と山梨学院の最速152キロ右腕・菰田陽生(はるき)も、ともに夏は初の決勝進出へ闘志を燃やした。

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 “怪物2年生”対決に負けるわけにはいかない。沖縄尚学・末吉は、山梨学院の菰田にライバル心を燃やした。「投打ともに同級生の菰田選手が一番の脅威になってくると思う」と警戒心を高めた。

 ここまで全4試合に登板して396球を投じたエース左腕。19日の準々決勝・東洋大姫路戦では救援で3回を50球で無失点に封じ「そこまで球数を投げることなく終えられた」。暑さ対策もあって選手たちは短パン姿。快投から約16時間後、Tシャツに短パンの軽装で「疲労がたまった中で、状態の確認の意味を込めた」と、約20球のキャッチボールで軽く汗を流した。

 比嘉公也監督(44)も「少し腕の位置が低い」と注視するが、体のケアにも努めている。宿舎の湯船に1時間程度漬かった後、体をほぐす。「(暑い)沖縄にそんな文化はない。甲子園に来てから」と新たな“日課”になった。

睡眠も「8時間は取るようにしている」と蓄積する疲労を和らげるために気を配る。

 チームはこの日、守備練習に加えて、木製バットを使った打撃練習も行った。1回戦から4試合で計11得点と、大量得点こそ奪えていないが、野手陣は堅守で援護する。沖縄大会から通じて、ここまで失策は1つのみ。同校では夏は初となる準決勝へ向け「守備に信頼を置き、打たせて取れば、最少失点で抑えることができる」と背番号1。対抗心を胸に秘め、壁を突破する。(松ケ下 純平)

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