侍ジャパンU―18壮行試合 高校日本代表4―3沖縄県高校選抜(2日・セルラー那覇)

 第32回U-18W杯(5~14日・沖縄)で連覇を目指す高校日本代表が、沖縄県高校選抜との壮行試合(セルラー那覇)に臨んだ。日本代表の先発は今夏の甲子園を制した沖縄尚学の150キロ左腕・末吉良丞(りょうすけ、2年)、沖縄選抜の先発は同僚の146キロ右腕・新垣有絃(ゆいと、2年)が務め、1万7969人と超満員の観衆が“甲子園V腕対決”に酔いしれた。

試合は雨天中断のため7回制に変更され、高校日本代表が4-3で勝利した。

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 高校日本代表のキャプテン・阿部葉太外野手(横浜3年)がバットとマイクの両面で、沖縄県民を魅了した。

 まずは打棒だ。タイムリー2本を含む4打数3安打2打点の大暴れ。2安打を放った8月31日の壮行試合・侍ジャパン大学日本代表戦に続き、4番として好調ぶりを見せつけた。

 スピーチも素晴らしい。試合後のセレモニーではマイクに向かって、こう語りかけた。

 「まずですね、この場をお借りしまして、沖縄県民のみなさん、そして沖縄尚学高校のみなさん、選手権大会優勝おめでとうございます!(場内大拍手)また、きょうはグラウンド環境が悪い中、試合を再開するためにグラウンド整備、本当にありがとうございます!(さらに場内大拍手)」

 試合前、試合中とグラウンド整備に奮闘した沖縄尚学、浦添の両校ナインに対する感謝を公の場でしっかりと発信したことに、大きな価値があった。

 その上で「きょう試合をして、沖縄県民のみなさんの熱量、ものすごいものを感じました。そんな素晴らしい沖縄で世界大会を戦える…自分たちはすごく楽しみにしています」と地元への敬意を示した。

 さらに「U-18日本代表に選ばれたからには、選手、スタッフ全員、世界一を狙いにいきます。応援の程、よろしくお願いします。

きょうはありがとうございました!」と結ぶと、那覇の夜空に万雷の拍手が鳴り響いた。(加藤 弘士)

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