◆ラグザス presents 第32回 WBSC U-18 野球ワールドカップ ▽1次ラウンド 日本―韓国(6日・沖縄セルラー那覇)

 日本が強敵・韓国を4―2で撃破し、開幕2連勝を飾った。2点リードの5回から最速158キロを誇る今秋ドラフト1位候補の石垣元気(健大高崎3年)がリリーフ。

ネット裏にはMLBスカウトが集結する中、最速154キロの直球を軸に3回を投げ、1安打無失点、4Kと力投した。すでに同校にはメジャー8球団が視察していることも判明。ジャパンの守護神として「ISHIGAKI」が世界一連覇に導く。

 勝利の指笛が心地よかった。7回2死一塁。石垣が最後の打者をカットボールで空振り三振に仕留めると、那覇の夜空に歓声が響き渡った。先発した2年生左腕・末吉良丞(沖縄尚学)から5回にバトンを受け取り、3回1安打無失点。「日本の因縁の相手は韓国だと思っていたので、勝ててホッとしています。自分がしっかりと抑えて勝ちにつなげようと思いました」

 好敵手に刺激を受けた。韓国の先発は最速157キロを誇る188センチ右腕、パク・ジュンヒョン。今年のKBOドラフト全体1位も予想される剛腕だ。「身長も高いですし、自分にないものを持っている。

負けたくない思いがあったので、少し力が入りました」。前日のブルペンから「下半身で粘れる」とノーワインドアップに変更。「韓国がストレートに弱いと聞いていたので」最速154キロの直球主体で攻めた。視察したあるMLBスカウトは、パク・ジュンヒョンとの比較に「遜色ない」と高評価を口にした。今秋ドラフト1位は確実な情勢だが、メジャースカウトもその動向に高い関心を寄せている。すでに8球団が高崎市内の同校まで視察に訪れており、将来性に注目している模様だ。

 だが剛腕は喧騒とは無縁。まずは世界一に貢献することしか頭にない。宿舎では副将の中野大虎(大阪桐蔭3年)と同部屋。「コミュニケーション能力が高いので、尊敬します」と野球以外でも学びの日々だ。「今日よりも接戦になることが多くなる。流れを変えられる投球ができれば」と石垣。

唯一無二の直球で、列強を封じる。(加藤 弘士)

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