◆JERAセ・リーグ 阪神2―0広島(7日・甲子園

 リーグ優勝を決めた藤川球児監督(45)の家族が祝福した。バスプロの長男・温大さん(23)らがスポーツ報知にメッセージを寄せれば、米国に留学中の次女(18)も感謝の手紙のサプライズ。

球児ファミリーも喜びにあふれた。

 お父さん、リーグ優勝おめでとう! 1年間、何も経験がないところから戦い続けてきたこと自体が尊敬できますし、その結果として優勝して、本当にすごいなと思います。

 父が現役を引退した直後に、僕から「監督就任のオファーがきた場合に簡単に断る人は尊敬できないと言われた」と話している記事を読みました【注1】。「そういう機会があるとしたら、ほんの一握りの人しかなれないのに」と思って伝えました。昨年10月に就任の報告を受けたときは身構えましたが、心の底から頑張ってほしいという気持ちだけでした。

 ペナントレースが始まってから会ったのは数えるほど。僕から野球の話もしません。ただ、試合はほとんど毎日チェックしています。釣りの練習は朝5時からするので、21時頃に寝るのが日課。試合が長引くと寝不足ですね(笑)。

 物心ついた頃にはキャッチボールをしてもらっていた記憶があります。球場で迷子になって、父が登板した日にアナウンスされたことは覚えていませんが(笑)【注2】。

僕にとっては普通の父親です。いや、父親でありながら、友達でもあるというか…。いい意味で距離が近いと感じています。

 バスプロを目指したのも、父の影響が大きかったです。現役時代にはシーズン中、毎週月曜日に釣りに連れて行ってくれました。やりたいことが見つからないときに、僕がバスプロの世界に興味を持つと「自由にやってこい」と言って、サポートしてくれました。今になって、父の「プロとしての向き合い方」や「練習に対する姿勢」のすごさも分かり、見習っていきたいです。

 まだ、日本一という大きな目標があると思います。最後まで戦い抜いてほしいです。(藤川 温大)

【注1】藤川監督は20年の現役引退直後に、家族とのたわいもない会話の中で「将来は監督とかあるんじゃない?」と言われ、「やらないよ」と即答。しかし、長男・温大さんの「日本で12人しかできないこと。そんな簡単に断る人は尊敬できない」などの言葉に考えを変えた。

「息子に『何でも挑戦しろ』と言っている自分がそれではいけないなって。将来的に監督のオファーが来るかなんて分からなかったけど、ふさわしくない生き方はしてはいけないと思った」

【注2】2005年2月27日のオリックスとのオープン戦(高知市営)で藤川が4回から登板し、2回を無失点。実は降板後に、バックネット裏で泣きじゃくっていた長男がオリックスの球団職員に保護されていた。7回に「ふじかわはるとくん、3歳」と場内アナウンスされたのを聞いた同僚選手から「子供、迷子で呼ばれてるんちゃう」と知らされ、球児は運営事務所に駆け込んだ。

 ◆藤川 温大(ふじかわ はると)2001年11月30日、兵庫出身。23歳。16歳からバスプロを目指し、18歳でJBトーナメントに参戦。今年からJBトップ50メンバーとして活躍。

 英子夫人「優勝おめでとう。夏頃までは家でも会話がなくなるぐらい、ずっと野球のことを考えていましたね。私もこの1年、阪神タイガースに携わる皆さまが幸せになっていただければうれしいなと思いながら、過ごしてきました。主人を支えてくださる関係者、ファンの皆さま、本当にありがとうございました」

 長女・絢英さん(22、大学生)「リーグ優勝おめでとう。

監督に就任してからは忙しく、会える日も引退後と比べると少なかったけど、全身全霊で野球に向き合う姿は離れていても伝わってきたよ。そんな父を支えてくださる関係者の皆さま、そして応援してくださるファンの皆さまに心より感謝を申し上げます。日本一を達成できることを願ってます!」

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