優勝マジック1としていた阪神が7日、2023年以来、2年ぶり11度目(1リーグ時代4度を含む)のリーグ優勝を決めた。90年の巨人の9月8日を上回る2リーグ史上最速でのV決定。
阪神は2回、高寺の左犠飛で先制。6回は近本の中犠飛で加点した。先発の才木は5回先頭、石原に頭部死球を与えて退場となったが、湯浅、桐敷、及川、石井、岩崎の継投で逃げ切った。藤川監督は5度、選手らの手で胴上げされた。
圧倒的な強さでゴールテープを切った。就任1年目の藤川監督が頂点に立った。1985年の吉田義男監督、2023年の岡田彰布監督も就任1年目でリーグ制覇を成し遂げたが、いずれも再登板。球団の新人監督としては初めてチャンピオンフラッグをつかみ取った。
昨秋の監督就任時に「藤川球児というこの野球選手、名前はタイガースに頂いた。それだけ感謝がある。いつかお返ししなきゃ」と話し、自らの野球人生について「どんな道を選んでも正解にできるという自信にもつながっています。
アクセルを踏み続ける独走だった。4月を貯金3の2位で終えたが、5月17日に首位に立つと、その後は一度もてっぺんを明け渡すことはなかった。交流戦期間中に7連敗を喫したが、6月下旬からはチームの勢いがさらに加速。2位以下に2ケタゲーム差をつける盤石のペナントレースを展開した。
藤川監督は春先から近本、中野、森下、佐藤輝、大山と1~5番の上位打線を固定。ここに坂本が正捕手として確固たる地位を築き、チームの骨格が固まった。また遊撃、左翼の2ポジションを巡り、若手、中堅選手がし烈なポジション争いを行った。4番・佐藤輝は本塁打、打点でリーグトップを独走。入団5年目にして、球界を代表するスラッガーに成長した。
投手陣の活躍も目が離せない。先発は村上、才木の二枚看板を中心に、デュプランティエ、伊藤将、大竹、伊原らが先発ローテを担った。
23年は18年ぶりのリーグ制覇となったが、これで3年間で2度目の優勝。18年シーズンこそ最下位に沈んだが、19年から7年連続Aクラス入り。21年に選手会長だった近本が2月のキャンプの手締めで「今年からは黄金期に入ります」と宣言した通りに、充実の瞬間を迎えている。
10月15日からは甲子園でクライマックスシリーズのファイナルステージを戦う。順調に勝ち進めば、同25日にパ・リーグの本拠地で日本シリーズが開幕。憎らしいほど強い虎が、さらなる頂きを目指す。