高校野球の秋季県大会の組み合わせ抽選会が、8日に静岡市内で行われた。大会は13日に開幕し、40チームが出場。

上位3校には、来年センバツ出場につながる東海大会出場権が与えられる。

 静岡商の初戦は14日の草薙球場での御殿場西戦に決まった。静岡商は昨春から今夏まで5季連続で県大会ベスト8入りを果たしている。4強の壁を突破し、東海大会出場を目指して意気込んでいる。

 組み合わせ決定後、曲田雄三監督は「チームカラーが全く逆の相手。タイプは違っても、自分たちの野球をしっかりやれればいい。秋なので、自分たちの野球をやることに尽きます」と力を込めた。強打の御殿場西に対し、堅実な守備を武器にする静商野球で挑む構えだ。

 新チームの中心は、今夏の悔しさを胸に戦う2年生コンビだ。2年生部員8人のうち、夏の大会でスタメン出場していたのは山崎拳慎(けんしん)三塁手、ただ一人。他に新チームで主将を務める宇田柊斗(しゅうと)外野手がベンチ入りしていた。

 メンバーが入れ替わり、戦力ダウンも懸念されたが、新戦力が台頭。

チームは再び勢いを取り戻しつつある。秋季県予選では初戦に清流館に11―1で圧倒。代表決定戦では焼津中央に5―3で勝利。上位決定戦では静岡学園を3―1で破った。山崎は「東海大会出場を目指している。そのためにはまず、県ベスト8以上に行かないと、東海大会が見えない」と燃えていた。

 今夏県大会では、準々決勝で静岡高校に0―5で敗れた。山崎は「2番・三塁」でスタメン出場し、それまで3試合連続安打と好調を維持していたが、静岡戦では2打数無安打に終わった。この悔しさも原動力になっている。165センチと小柄ながらも持ち前の小技や粘り強い打撃で、切り込み隊長として、チャンスを演出する。

 主将の宇田は夏大会以降、投手から外野手に転向。中学時代には中日本選抜に選出された実績を持つが、1年生投手に登板機会を譲り、自らは登板なしに終わった。

秋は4番に座り、静岡学園戦でも勝ち越し打を放つなど、存在感を放っている。「自分が打たないと勝てないと思っている」。176センチの右打者は、仲間を声がけで鼓舞し、勝負強さと積極的なプレーでチームの士気を高めることを誓っていた。

 2006年夏を最後に甲子園から遠ざかっている静岡商。聖地を目指して、新たな戦力でベスト4の壁突破を狙う。(伊藤 明日香)

編集部おすすめ