◆JERA セ・リーグ 巨人4―3広島(10日・東京ドーム)

 鯉キラーぶりを発揮した。打った瞬間、トレイ・キャベッジ外野手(28)はフェンスオーバーを確信していた。

2点を追う初回1死。カウント2―2から広島の先発・大瀬良の投じた高めのフォークを完璧に捉えた。数歩、打席を踏み出した位置で視線を送った右翼席中段に白球が飛び込む。「反撃ののろしをチームで上げようと取り組んでいた。自分にとっても非常に良かった」。悠々とダイヤモンドを一周した助っ人が、いきなり追いかける展開となった重苦しい空気を吹き飛ばした。

 今季放った16発中7発が広島戦。打点もカード別最多の13を記録。出場8試合連続安打と好調をキープしている。「広島の投手陣はすごくいいピッチャーがたくさんいる。楽しい戦いが続いている」。試合前の打撃練習では打球角度や方向を入念に確認し、対戦する投手の特徴によって打撃投手に球種をリクエスト。

「来日1年目なので学ぶことが多い。日本の野球に徐々に慣れてきて、自分自身のプレーにも自信が出てきた」と、充実感をにじませる。

 この日で5戦連続、中堅でスタメン。不慣れな位置も懸命に取り組む。9日の広島戦(東京D)で失点につながる失策。この日の試合前練習では、松本外野守備兼走塁コーチと、身ぶり手ぶりを交えながら話し合った。「センターを守り始めてまだ(日が)浅い。1球ごとのリズムの取り方や動作をアドバイスしていただいた」と、貪欲な姿勢を見せる。チームは残り15試合。2位死守へ助っ人が攻守で勢いづける。(加藤 翔平)

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