◆米大リーグ ドジャース9―0ロッキーズ(10日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が10日(日本時間11日)、本拠地・ロッキーズ戦に「1番・DH」で先発出場。今季ラストの「ボブルヘッドデー」を1安打1打点で締め、メジャー最速で130得点にも到達した。

5連敗の後、4連勝のチームは地区優勝マジック「13」が再点灯。同地区2位のパドレスとはゲーム差3となり、最短で9月18日(同19日)にもナ・リーグ西地区4連覇が決まる。

 5万805人の観客が主役の一打に酔いしれた。2点リードの2回2死三塁。大谷は左腕フリーランドの初球、内角スイーパーを捉えると、右前適時打で追加点をたたき出した。5試合連続安打で連続試合出塁を「16」に伸ばすと、ベッツの左越え二塁打で一塁から生還し、メジャー最速で130得点に到達した。

 今年4度目にして最後だった自身の「ボブルヘッドデー」。昨季から抜群の相性を誇り、今季もサヨナラ弾、2打席連発、749日ぶり白星と名場面を生んできた。今年から大谷のボブルヘッドは来場者全員がもらえるように変更され、初めて投手版の人形が配布されたこの日も球場周辺は目立った混乱は見られなかった。しかし、6回に大谷が四球で歩かされるとブーイングが起きるほど期待は大きかった。通算6試合で打率3割7分5厘、4本塁打、9打点の“吉兆日”は来季も注目だ。

 大谷が実践している教えがある。

ベイツ打撃コーチは7日(同8日)に大谷、ベッツ、フリーマンの3人にメッセージを送信した。「パーでいいんだよ」。同コーチはその意図について「プロゴルファーは常に忍耐の重要性を語り、無理にバーディーやイーグルを狙うなと言っている。(野球でも)パーを取るようにすれば、気付かぬうちにバーディーチャンス、つまり本塁打を打つチャンスが訪れる」。大谷は当日の試合でオリオールズ・菅野から2打席連発をマークし、「ゴルフポーズ」を披露。この日の2回の適時打も見事な“パーセーブ”だった。

 チームは4連勝。直接対決7試合を残す同地区3位ジャイアンツ、同地区2位パドレスがともに敗れ、4日(同5日)に消滅した地区優勝マジックが「13」で再点灯した。パ軍とのゲーム差は「3」に開き、「あとは攻撃をどう機能させるかだが、攻撃も形になってきた」とロバーツ監督もご満悦だ。盤石の先発陣を中心に、独走態勢に入っても不思議ではない。12日(同13日)からはジ軍と相まみえる。最短で地区Vは18日(同19日)。

このまま一気に決める。(中村 晃大)

◆大谷翔平の過去の「ボブルヘッドデー」(※日付は現地時間)

 ▽24年5月16日・レッズ戦(2打数無安打1盗塁)ド軍移籍初開催で大混雑

 ▽同8月28日・オリオールズ戦(4の2、本1、点1、盗2)デコピンの始球式で熱狂。初回に先頭弾。

 ▽25年4月2日 ブレーブス戦(5の3、本1、点1) 9回に自身2本目のサヨナラ弾。

 ▽同5月15日・ アスレチックス戦(5の2、本2、点6) 14、15号と今季初の2打席連発。

 ▽同8月27日・レッズ戦(5の1、5回1失点9奪三振) 投手749日ぶり白星。

 ▽25年9月10日・ロッキーズ戦(3の1、点1) 2回に右前適時打。

 ◆ドジャースのマジック 8月24日に「31」が点灯し、9月3日には「20」になったが、4日に消滅。ドジャースは2位パドレスとの直接対決を終えているため、勝率で抜かれない限りパ軍の自力Vは復活しないが、直接対決を7戦残している3位ジャイアンツが浮上して自力Vの可能性が復活してマジックが消えていた。マジック対象チームはパドレス。最短Vは18日(日本時間19日)。

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