パ・リーグ ロッテ9―1ソフトバンク(11日・ZOZOマリン)

 大敗で3連敗を喫したソフトバンク・小久保裕紀監督(53)は、さばさばとした表情でリセットした。気持ちの切り替えは、試合中から。

2回5安打4失点の大関を、わずか30球で代えた。「あの展開でズルズル投げるよりは、スパッと切って。残りの試合を考えて」とダメージを回避。2番手の上茶谷が3回に4点を失い、一方的な展開になったが、残り17試合を見据えた。

 チーム最多12勝の左腕は今季最短KO。守備にも足を引っ張られた。初回1死から西川に先制ソロを献上後、連打され一、二塁。佐藤の二ゴロは併殺コースだったが、野村の一塁送球がそれ、ピンチが続いた。2回も先頭の茶谷の遊ゴロを野村が悪送球。そこから3点を失った大関は「動揺はない。打ち方に対応できなかった」と悔やんだが、指揮官が責めることはなかった。

 試合前は豪雨。

人工芝はぬれた状態で、小久保監督は「滑るのは分かっている。『滑りました』では終われない」と指摘したが、「経験にして、生かして」と付け加えた。ここまで自己最多109試合に出場し、レギュラー級に成長した野村を見守った。千葉では8月29日からの3連戦でもミスが目立ち、負け越した後に「この時期に恥ずかしい」と戒めた。試合後に選手を集め、次戦から5連勝。それ以来の敵地で、ロッテには3連敗だが穏やかだった。

 このカードは1戦のみ。「あしたも試合があるとズルズルいくけど、試合がないのをプラスに」。コーチ会議でも、そう話した。優勝マジック15のままで、日本ハムに2差と迫られたが、最後までデッドヒートは覚悟の上。ジタバタすることはない。(安藤 理)

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