巨人・田中将大投手(36)が12日、1軍に合流し、日米通算200勝をかけて先発する15日のDeNA戦(横浜)で「アグレッシブ」に攻めることを誓った。ハマスタでの登板は自身12年ぶりで、白星を手にすれば24勝0敗の伝説を残した楽天時代の13年5月14日以来、4507日ぶり。

G球場で調整した右腕は「常にマウンド上からアグレッシブに、相手に攻めていく姿勢を持って投げたい」と一戦必勝に向けたテーマを掲げた。

 攻めダルマと化す。燃え盛る思いを、田中将が言葉にした。登録抹消を経て2週間半ぶりに臨む復帰戦。ブルペンで47球を投げ込むと「常にマウンド上からアグレッシブに。相手に攻めていく姿勢を持って投げないと、のみ込まれてしまう。どういう状況であろうと、その気持ちを持って投げたい」と両目に力を入れた。

 3位・DeNAとの直接対決。2位死守へ最善を尽くすことが、史上4人目の日米200勝へとつながる。「順位もすぐ下にいるチームに投げるわけですから。ただでさえ残り試合も少なくなってきているところで、1試合1試合が本当に大事になってくる。しっかり勝ちにつながるようにと、もちろん思っています」

 伝説への通過点となった球場で4507日ぶりの白星を狙う。

最後にハマスタで投げたのは開幕24連勝を成し遂げた13年5月。三浦大輔(現監督)との投げ合いを8回7K3失点、128球の熱投で制した。久々のマウンドとなるが「ピッチングを窮屈にしてもしょうがない。どこであろうと自分の強み、打線に対してどうアプローチしていくかだけ。ゲームの中で臨機応変にアジャストしていければ」。6297日ぶりの神宮で199勝目を手にした8月21日のヤクルト戦に続く移籍後3勝目に挑む。

 5か月前の姿とは違う。本拠地デビュー戦となった4月17日に2回6失点KOされたのがDeNA打線だ。制球に苦しんだ春先から修正を重ね、今月3日のイースタン・ヤクルト戦(Gタウン)では5回無四球0封。「(前回)自分がやられたからとか、そんな前のことを今引っ張り出しても仕方がない。前に進んでいる」と2軍での日々を信じた。

 この日、迷いなく発した「アグレッシブ」は、6年連続2ケタ勝利をマークしたヤンキース時代に何度も繰り返していた言葉だ。

「ボールの動きどうこうよりアグレッシブに投球できた」「慎重さだけでなくアグレッシブにも攻めていけた」―。闘争本能むき出しで、ねじ伏せにいく姿こそストロングポイント。「ボール先行にしてしまえば自分が苦しくなる」と攻めの投球をテーマに掲げた。

 残り14試合で登板チャンスは最大でも2回。ここで200勝を決めたい。クライマックスシリーズ第1ステージの本拠開催をつかむためにも譲れない2位決戦。ハマスタで、一歩たりとも引く気はない。(堀内 啓太)

 ◆田中将の横浜スタジアムでの登板 13年5月14日・DeNA戦に先発し、三浦大輔と背番号18同士の投げ合い。当時自己最速タイの155キロを計測するなど8回7安打3失点。打線はジョーンズとマギーのアベック弾などで7得点で開幕から無傷の6連勝、前年8月からは10連勝となった。

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