◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
二重の大きな意味を持つ挑戦をしてきた巨人・乙坂智外野手の背中がたくましく映った。「進んできた道に後悔はないですよ。
自らの野望を実現するためだけではない。パイオニア精神も胸に宿して奮闘していた。メジャー入りを実現するためにはNPBで活躍して海外FA権を行使するか、ポスティングシステムを利用して海を渡ることが一般的。日本人選手が中南米のリーグなどからMLBを目指したケースはほとんどない。「相当きついけど、面白いことをしたかった。メキシコとかを経由してメジャーに行ったら後々の選手にも行ける、このルートもあると示せる。
日本球界に復帰後、ここまでは主に2軍で牙を研ぐ日々を送る。ただ、これまで何度もはい上がってきた。シーズン最終盤、そしてポストシーズン。唯一無二のストーリーを紡ぐ乙坂が、輝きを放つ瞬間を待ちたい。(巨人担当・宮内 孝太)
◆宮内 孝太(みやうち・こうた) 22年に入社。23年からは巨人担当。