来春のセンバツにつながる第78回秋季全道高校野球大会の地区予選が18日から、全道の各地区で開幕する。室蘭地区の鵡川は、23日の1回戦で駒大苫小牧と対戦。

「武士道」などを著した新渡戸稲造の末裔(まつえい)である新渡戸湧晴外野手(2年)が2年連続の全道大会に導く。

 鵡川・新渡戸が「武士道」の精神を胸に、秋初戦に臨む。初戦の駒大苫小牧を含め、北海道栄などとも同じブロックに入り、「夏から投げていて球速も速い(2年の三浦秀斗)投手が自分たちにはいる。ただ、ピッチャーだけでは勝てないので、全員で勝ちにいく」と気を引き締めた。

 農業や教育など多方面で活躍し、旧5000円札の肖像にもなった偉大な先祖を持つ。中学までは興味関心が薄かったというが、同校の小池啓之監督(73)らから数々の功績について説明を受けるにつれて、偉大さを再認識。高校入学後に著書「武士道」を読み、「信念を持ってやることの大切さ」を心に刻んで白球を追いかけてきた。

 今大会の背番号は「13」。2ケタだが、「レギュラーとの差はない」と小池監督。アピール次第では、スタメン出場の可能性も残されている。寮生活を送る新渡戸の実家は東京都台東区にある妙行寺。試合が近くなるとお経を読んで精神統一するのがルーチンの16歳は「自分は打つ方が持ち味。

まだまだ課題は多いけど、勝利に貢献できるようにプレーしたい」。まずは“死のブロック”を勝ち抜くために、自らの役割を全うしていく。(島山 知房)

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