◆世界陸上 第7日(19日、国立競技場)
男子5000メートル予選が行われ、各組上位8人、計16人が21日の決勝に進出した。森凪也(ホンダ)は第1組を走り、13分29秒44の15着で予選敗退した。
スタミナとスピードの両方が高いレベルで求められる男子5000メートル。高岡寿成(1993年大会、99年大会)、上野裕一郎(2009年大会)、佐藤悠基(2013年大会)、大迫傑(2015年大会)ら日本のトップランナーも予選で敗退し、過去に決勝進出を果たした選手はいない。予選突破は準決勝を含む3ラウンド制だった1983年の第1回ヘルシンキ大会で準決勝に進出した井出健二(九州電工)だけで、井出も準決勝で敗れた。
森は福岡県出身。2018年に福岡大大濠高から中大に入学。箱根駅伝では2年7区12位、3年2区16位と活躍できなかったが、22年にホンダ入社後、着実に力をつけ、社会人4年目の今季、大きく飛躍した。4月に5000メートルで自己ベスト記録の13分15秒07をマーク。5月のアジア選手権では3位に入った。7月の日本選手権では2位だったが、世界ランキング59位の実績で日本代表に選出された。大会スポンサーのホンダ所属の26歳が自国開催のビッグイベントで歴史的快挙を狙ったが、世界の壁はやはり、厚く、高かった。