大相撲秋場所7日目(20日、両国国技館)

 新小結・安青錦が大関取りの関脇・若隆景を押し出して、5勝目を挙げた。

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 安青錦は私のコラムを読んでくれたのかな。

初日、2日目と立ち合いの甘さと下手ひねりや内無双に頼る小手先の相撲を批判したら、3日目から見違えるようになった。若隆景との一番も立ち合いから踏み込み、顎を引いて頭を上げることなく力強く一方的に押し出した。脇を固めて足から前に出ているという表現がぴったりの相撲。相撲巧者の若隆景が潜ることも、横にいなすこともできなかった。

 大相撲の定説から一度は壁にぶつかった方がいいと思うのだが、安青錦に壁は存在しないのかもしれない。私が指摘した弱点も克服して力強い相撲で白星を積み重ねている。今場所は10番以上は期待できる。初場所が大関取りの場所になる可能性も高い。

 若隆景は大関取りが消えそうな崖っぷちの3敗目。何もできなかったショックはすこぶる大きい。引きずらないことを願う。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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