◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 第3日(20日、北海道・札幌GC輪厚C=7066ヤード、パー72)
ツアー通算20勝の石川遼(34)=カシオ=が3位で出て5バーディー、ボギーなしの67と伸ばし、通算13アンダーで首位に3打差3位と食らいついた。2日連続のノーボギーで、パーオン率は今大会1位とアイアンショットの精度が高く、自身10度目の逆転優勝に照準を定めた。
最高気温21度と冷え込んだ北の大地で、石川のショットは激熱だった。圧巻は7番パー4。フェアウェー右バンカーから残り155ヤードの第2打。8アイアンを握り、左から右に曲がり落ちるフェードで1・5メートルに寄せてバーディーを奪った。「今日の内容はかなりガマン、ガマンだった」。好機を決めきれなかった序盤を耐え、上昇気流に乗った。
3日間のパーオン率88・89%は全体1位とアイアンショットの精度は抜群。17番で3メートルを沈め、右手を逆手にして握るクロウグリップのパットもさえた。2日連続のノーボギーに「いい感じでコースを攻められた」とかみしめた。
“脱・尻すぼみ”で上位を死守した。
過去に9度成し遂げた逆転Vを射程にとらえた。15歳で飾った初優勝も、驚異の「58」で6打差を逆転した10年中日クラウンズも、昨年の20勝目も最終日でまくってきた。今季はトップ10入りが1度のみと苦戦が続く中、3位以内で最終日に臨むのは初だ。21勝目のチャンスが巡ってきた。
中学時代に陸上部に所属した石川は、東京で開催中の世界陸上も「疲れて(中継を)見られてないです」と言うほど大会に全集中している。
◆石川遼の最終日逆転優勝 国内ツアー20勝のうち逆転は9度。アマチュア時代に15歳でツアー初出場した2007年マンシングウェアKSBカップで4打差9位から66で回り、世界主要ツアー最年少優勝(当時)。10年の中日クラウンズは6打差18位から12バーディー、ボギーなしで世界最少スコア(当時)の58をマークし大逆転V。24年の三井住友VISA太平洋マスターズは1打差2位から67と伸ばし、逆転で通算20勝目を飾った。