◆JERA セ・リーグ 巨人3―1広島(20日・東京ドーム)

 巨人が広島に連勝し貯金1。3位以内を確定させ、2年連続CS進出を決めた。

セは出場全3チームが出そろった。2回に岡本和真内野手(29)の2戦連発となる14号ソロで先制。4回にはドラ2ルーキー・浦田俊輔内野手(23)が東京Dで初の適時打を放つなど3戦連続マルチ安打の活躍。先発の横川は5回1失点で2勝目。8回から5番手で登板した大勢投手(26)が1回を無失点に抑え、球団記録に並ぶシーズン44ホールドを記録した。

 ホームランアーチストの本能が完全に目覚めた。岡本は打球の行方を確信したように、悠然と一塁ベースへ走り出した。「今日も打てて良かったです」と2試合連続となる先制の14号ソロ。前夜に自己最長となる90打席ぶりの一発でトンネルを抜け、今度は2年連続のCS進出に導く値千金の放物線を描いた。

 0―0の2回先頭。カウント0―2から甘く入った126キロのスライダーを、力みなく打ち抜いた。体勢をやや前に出され右手を離し、左手だけのフォロースルー。

「追い込まれてたんで、うまく当たってくれて良かったなと思います」とコンパクトに捉えた打球が飛び込んだのは左翼席中段。前日の2回に放った12号を、まるでリプレーしたような弾道だった。バットこそブラウンから黒色に持ち替えていたが「折れてなくなったんで。(形は)一緒です。今はあれを使って」。シーズン最終盤をともにする相棒を見つけ出した。

 2点リードで迎えた9回1死一塁の守備では三塁線への鋭いゴロを横っ跳びで好捕。素早く一塁に送球し、打者走者のファビアンを間一髪で刺した。抜けていれば一打同点の場面をつくられていただけに、勝敗を左右するビッグプレー。東京DのG党から、2回の一発に勝るとも劣らない大歓声を浴びた。

 お互いを高め合えるスラッガーの存在が力になる。左肘じん帯損傷でリハビリを続けていた6月、上半身のコンディション不良で戦列を離れていたヤクルト・村上が自宅を訪ねてきた。

野球談議に花を咲かせながら食卓を囲んだ。7月には「戻ってきたらどこを守るんだろう」と外野にも挑戦していた後輩を気にかけつつ「でも、ムネは打つでしょ。俺は打てるか分からんけどね」と口にしていた岡本。復帰後の47試合で19発を量産しているツバメの主砲に負けじと、9月は月間打率3割6分2厘と快音を重ねてきた。

 チームは連勝で阪神に勝利したDeNAとの1ゲーム差を死守。阿部監督は「昨日のがすごくいいきっかけになったんじゃないですかね。大きいホームランだったと思います」と主砲を称賛した。レギュラーシーズンは残り7試合となり、CS第1ステージまでちょうど3週間。「みんなそういう気持ちでやってます」と見据える2位でのCS進出へ、全開モードの背番号25がけん引する。(内田 拓希)

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