◆世界陸上 第8日(20日、国立競技場)

 男子400メートルリレー予選で小池祐貴(30)=住友電工=、柳田大輝(22)=東洋大=、桐生祥秀(29)=日本生命=、鵜沢飛羽(とわ、22)=JAL=の日本は、38秒07の2組3着で21日の決勝進出を決めた。

* * *

 3度目の自国開催大会で初のリレーでの表彰台へ、日本は全体5位の記録で決勝へ進んだ。

19年ドーハ大会で銅メダル獲得後、世界大会の表彰台から遠ざかる“リレー侍”。まずは第一関門を突破し、キャプテンの桐生は「もっと速くなって明日しっかり走りたい」と国立競技場に詰めかけた満員の観客に宣言した。

 突破できなければ、最終日の21日は日本勢の出場がなしとなる重圧の中での予選。バトンミスで途中棄権した21年東京五輪決勝メンバーの小池が1走、桐生が3走に名を連ねた。同じ国立競技場での雪辱へ、小池が勢いよくスタートを切ると柳田、桐生も順当につなぎ、勝負のアンカー鵜沢へ。

 世界大会初のリレー出走となった鵜沢。直前まで緊張していたが「このメンバーがいるので緊張する必要はない。もらったものをいち早くゴールに持って行くだけ」と熱い気持ちで受け取った。しっかり加速を決めると、4走の全体1位となる9秒07をマークして着順通過の3番手も死守。それでも「もうちょっと上げられるかな」と頼もしかった。レース後は会場が揺れるほどの大歓声で決勝へのエールを送られ、小池は「鳥肌が立ちました」と笑顔で話し、柳田も「しびれました」と目を丸くして喜んだ。

 ジャマイカなど強豪国がバトンミスで脱落し、決勝は米国などがライバルとなる。

日本記録よりも0秒13速い37秒30が目標。昨年のパリ五輪優勝タイムは37秒50で、リレー種目初の金メダルも見えるタイムだ。試合後の日本は和気あいあいとした良い雰囲気で、22歳の鵜沢は「切磋琢磨(せっさたくま)し合える関係。良いチームです」と笑顔で明かす。全9日間を締めくくる、今大会最終種目。“リレー侍”が最高のフィナーレへと導く。(手島 莉子)

編集部おすすめ