◆世界陸上 最終日(21日、国立競技場)

 今大会の最終種目男子400メートルリレー決勝(午後9時20分スタート)で、日本は3大会ぶりのメダル獲得を目指す。

 20日の予選2組で38秒07の2組3着で決勝進出を決めた小池祐貴(住友電工)、柳田大輝(東洋大)、桐生祥秀(日本生命)、鵜沢飛羽(JAL)の予選出場メンバーをはじめ、7月の全国高校総体(広島)で10秒00をマークし、日本代表入りした16歳の清水空跳(そらと、石川・星稜高2年)らが午後5時30分にウオーミングアップエリアの織田フィールドに到着した。

 午後6時10分から、熱心なファンが静かに見守る中「リレー侍」はウォーミングアップをスタート。

 予選と同じく小池―柳田―桐生―鵜沢の並びでゆっくり走りながら、バトンパスの練習を始めた。4人の後ろに、サニブラウン・ハキーム(東レ)や清水らが4人を見守るように走った。チームの雰囲気は明るく、メダル獲得への準備を着々と進めた。

 今大会の男子400メートルリレーはメンバー候補が11人。様々な特長を持った選手が集結した。日本記録は銅メダルだった19年ドーハ世界陸上の決勝で出した37秒43。それよりも0秒13速い37秒30を目標として全員で共有しており、決勝での達成をターゲットにする。

 今大会は男子100メートルで桐生、サニブラウン、守祐陽(もり・ゆうひ、大東大)がそろって予選敗退。2015年北京大会以来、5大会ぶりの日本勢全員敗退だった。しかし、お家芸とするリレーでは、伝統のバトンパスがさえて、組3着、全体6位で予選を突破した。

 五輪では08年北京大会、16年リオ大会で銀メダル、世界陸上では17年ロンドン大会、19年ドーハ大会で銅メダルを獲得した。

しかし、その後は、世界大会で表彰台から遠ざかっている。

 21年東京五輪決勝でバトンがつながらず、22年オレゴン世界陸上は予選で失格、23年ブダペスト世界陸上、昨年のパリ五輪は共に5位入賞だった。

 男子400メートルリレー決勝は今大会の最終種目。桐生も「過去最高メンバー」と自信を見せるリレー侍が国立競技場で最高のフィナーレを飾る。

 国立競技場にはサブトラックがないため、約3キロ離れた織田フィールドの400メートルトラックがウォーミングアップエリアとなっている。ちなみに織田フィールドの正式名称は「代々木公園陸上競技場」。1928年アムステルダム五輪男子三段跳びで日本人初の金メダルを獲得した織田幹雄さんの業績をたたえ「織田フィールド」の愛称がつけられており、大会スペシャルアンバサダーを務める俳優・織田裕二に由来するものではない。

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