◆JERA セ・リーグ 中日5―2巨人(21日・バンテリンドーム)
巨人・田中将大投手(36)の史上4人目となる日米通算200勝達成は、またも持ち越しとなった。中日戦の初回に2点の援護をもらったが、5回1/3を5失点で逆転を許して4敗目。
約15秒、ベンチで顔を上げられなかった。田中将はそれだけ、懸けていた。白熱の2位争いの中で6回途中5失点。「非常に大事なところで、こういう投球しかできなかった。自分に本当にフラストレーションがたまる日になりました」。人前で決して落ち込む姿を見せない男が、腰かけたまま動けなかった。日米通算200勝は持ち越し。王手をかけてから自身3連敗となった。
2点の援護を守り切れなかった。
最速は147キロ。序盤のスライダー、スプリット中心の配球から、3回以降はカットボールを加えて立て直した。5回まで3イニング連続3者凡退。6回の続投は尻上がりの内容があってこそで「カットで相手を外したりはできた。きっしゃん(岸田)とも話しながらどうやって修正、立て直そうと」。受けた岸田も「いい時はストライク先行でどんどん勝負できた。
6回2失点の15日DeNA戦(横浜)から中5日。頭にあるのは常に、チームへの献身だけ。その思いに救われた選手がいる。今季途中から外野に挑戦した中山だ。前回登板の6回2死一、二塁から右翼頭上を襲った飛球をグラブの先に当てながら捕球できず、決勝の2点二塁打となった。降板後、すぐ謝りにきた23歳の肩に触れ「大丈夫、大丈夫」と語りかけ、自分の責任だと伝えた。中山は言う。「次は絶対(捕る)という気持ちにさせてもらいました。あの前を向く姿、すごく見習わないといけない」。全てを背負う覚悟でマウンドに立ち続けている。
阿部監督は「ボコボコにやられたって感じはないし、その後は立ち直ってくれた。