◆阪神大学秋季リーグ第3節2回戦 大産大4―1大産大(21日・ほっともっとフィールド神戸)
阪神大学リーグの第3節が行われ、春季王者の大産大が20日に敗れた大体大に4―1で勝利した。プロ注目の小出望那(もなく)捕手(4年)は5回に2ランを放ち、勝利に貢献した。
待望の一発だった。2―0で迎えた5回2死二塁、ここまで2打数無安打の小出が振り抜いた白球は、左翼スタンドへ吸い込まれた。ダイヤモンドを回りながら、沸き立つ観客席に「指さしポーズ」で応える。「後輩たちに『望那さん早く打!ってよ!』と言われて、すごく期待されていた。なんとか芯に当たって良かった」と胸をなで下ろした。
課題の克服に奔走した。春季リーグは打率1割7分9厘、3打点、1本塁打と低迷。苦しんだ直球を重点的に振り込んだ。この日の一発は大体大先発・中野陽の直球を完璧に捉えたもの。今秋1号、リーグ通算7アーチ目となる2ランで貴重な追加点をたたき出した。
「しんどいことが嫌い」と苦手意識のあったウェートトレーニングにも積極的に取り組んでいる。考え方が変わったのは2年冬と3年春に選出された大学日本代表候補合宿。
14日にプロ志望届を提出した。10月23日のドラフトでの目標は「3位以内」と上位指名を狙う強肩捕手。この日はソフトバンクのスカウトが視察に訪れた。周りからの期待も大きいが、「逆にそれを試練だと思ってやっている」とにやり。同校では23年ドラフト5位の楽天・松田啄磨投手以来となるNPB入りの夢を現実にする。(藤田 芽生)
◆小出 望那(こいで・もなく)2003年8月3日、大阪市生まれ。22歳。天下茶屋小2年から西成銀河で野球を始め、天下茶屋中では軟式のバイキングジュニアに所属。大産大付では1年夏からベンチ入りし、高校通算本塁打は30本以上を誇る。甲子園出場なし。