◆JERAセ・リーグ DeNA2―2阪神=延長12回=(23日・横浜)

 青春の思い出が残る横浜で快挙を達成した。阪神・及川雅貴投手(24)が、05年の藤川球児らに並ぶプロ野球記録の17戦連続ホールドを成し遂げた。

「何かの縁じゃないかなと思う。達成できたのは通過点として良かった」。21戦連続ホールドポイントは藤川を超える球団新記録。進化の一年に新たな勲章を刻んだ。

 2―2の7回。先頭の林を空振り三振に斬り、役割を果たした。「いろんな人に助けてもらいながらの記録。感謝の気持ちを忘れずに」。リーグ2位のホールドポイントも51に更新し、トップの巨人・大勢に1差。藤川監督は「(記録など)目指すところがあるのは限られたプレーヤーだけ」と、親心を込めて激励した。

 先発5試合を含めて計9登板の昨季は1勝3敗、防御率2・76。不退転の決意で臨んだ10月の秋季練習中、転機が訪れた。

就任したばかりの球児監督からマンツーマン指導。投球時に横回転になっている点を指摘され、制球ミスが上下にとどまる縦回転への修正を勧められた。「ものにしていければ」と自主トレ期間を含めて磨き、今春キャンプではジェフ・ウィリアムス駐米スカウトから宝刀スライダーを吸収。進化の礎となった。

 ここまで12球団最多の65登板で防御率0・89。日本記録の48戦連続無失点中の石井と左右の両輪で優勝に導いた。「秋季練習から始まった。(指揮官の記録を)抜かせるように頑張りたい」。横浜高時代は奥川(星稜)、西純(創志学園)、佐々木(大船渡)と共に「高校BIG4」と呼ばれた男。チームは今シーズンのビジター最終戦で、今季4度目の引き分けに終わったが、表情を緩めることなく次戦を見据えた。(中野 雄太)

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