◆秋季兵庫県大会▽3回戦 報徳学園5―2明石商(23日・明石トーカロ)

 兵庫大会は3回戦が行われ、報徳学園が明石商との強豪対決を制し、8強に進んだ。中尾勇貴中堅手(2年)が5打数3安打、投げては最終回を3者凡退に抑えた。

準々決勝で今夏甲子園8強の東洋大姫路に挑む。敗れた明石商は、来春センバツ出場が厳しくなった。

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 また一つ、壁を越えた。5―2の9回2死、最後の打者を左飛に仕留め、報徳学園・中尾は左手を握りしめた。「任された仕事を果たして、自分が勝たせるという気持ちを一番にプレーしている」。この日は「3番・中堅」で先発し、初回にチーム初安打。主導権を握ったナインは、明石商との好カードを制して2年ぶりの8強入りを決めた。

 昨年の教訓が生きた。昨年から高校日本代表のコーチに就任した大角健二監督(45)は、同年秋のU―18アジア選手権のため、秋季大会を前にチームを離れた。主力選手の故障もあり、報徳学園は県大会初戦で敗退した。「大角監督がいないから負けるとは絶対、言われないように」。今年は監督不在が選手の意識をガラリと変えた。

津名との初戦は宮崎翔コーチ(38)が指揮して突破。U―18W杯を終えた大角監督はナインの様子に驚いたという。「ウォーミングアップも一つ一つの動きを全力でやっているのが伝わってきた。大会に入るのが楽しみ。何をしてくれるんだろう」。期待通り、滝川二、明石商と甲子園経験校が集うブロックを勝ち進んでいる。

 東洋大姫路には今春と夏の決勝で敗れて涙をのんだ。夏は2年生8人がベンチ入りしており、「悔しい思いは一番強い。絶対に勝ちたい」と中尾。4季ぶりの王座奪還へ、早くも実現するリベンジ戦に闘志をみなぎらせた。(瀬川 楓花)

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