◆米大リーグ ダイヤモンドバックス―ドジャース(23日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が23日(日本時間24日)、敵地・Dバックス戦に「1番・投手兼DH」で先発出場。投手としては節目のメジャー通算100登板目で今季最長の6回を投げ、5安打無失点8奪三振で降板した。

今季最多の91球の熱投。16回2/3連続無失点で防御率は2・87に良化し、今季2勝目の権利を持って救援陣にバトンを託した。

 Dバックス戦はエンゼルス時代の21年以来4年ぶりの登板。試合前に敵軍のロブロ監督は「(大谷は)世界最高の選手の一人。彼に対するゲームプランはあるが、間違いなく速球中心になるだろう。だから我々は速球に備えている」と話していたが、初回。大谷は1番ペルドモのバットを内角の94・2マイル(約151・6キロ)カットボールで粉砕して右飛に打ち取るなど3者凡退と完璧な立ち上がり。初回の最速は99・5マイル(約160・1キロ)だった。

 1点の援護をもらった直後の2回は先頭から連続三振を奪ってパーフェクト。しかし、3回。先頭の7番トーマスの打球がピッチャー強襲。大谷のグラブの土手付近に当たり、打球を見失っている間に内野安打となった。

ロバーツ監督、トレーナーがマウンドに駆けつけたが、大谷は笑顔で問題がないことを強調して続投した。大谷が安打を浴びたのは5日(同6日)の敵地・オリオールズ戦の4回以来、8イニングぶりだった。それでも、後続を3者連続三振でピンチすらつくらなかった。

 4回。先頭のマルテに中前打を許したが、3番キャロルをこの日最速の101・2マイル(約162・9キロ)直球で見逃し三振に仕留めるなど走者を進ませなかった。5回は1死からトーマスを右前打で塁に出したが、続くマキャンを投ゴロ併殺打。大谷は力強く右拳を握りしめた。5回を終えて球数72球。今季初めて上がった6回のマウンドでは2死一塁からキャロルに左前打を許し、初めて得点圏に走者を背負ったが、2死一、二塁で4番モレノを中飛。最後はスライダーが抜けた失投だったため納得のいかない表情だったが、敵地のドジャースファンから大きな拍手が送られた。

 大谷は前回16日(同17日)の本拠地・フィリーズ戦では5回無安打無失点。本塁打王を争うシュワバーとの直接対決でメジャー自己最速タイの101・7マイル(約163・7キロ)を計測し、見逃し三振、左飛と2打席で“圧投”した。

中6日で迎えたこの日はレギュラーシーズンでは今季最終登板の見込みで、ロバーツ監督は「もちろん試合展開によるが、順調にいってくれれば6回を投げ切ってもらいたい。パフォーマンスも上がってきているし、調整の段階は終わってプレーオフモードになっている」と今季最長の「6回」を目安に設定していた。

 23年9月に自身2度目の右肘手術を受けた「投手・大谷」は今年6月に電撃復帰。8月27日(同28日)の本拠地・レッズ戦では復帰後初めて5回を投げ切り、2安打1失点9奪三振の快投で749日ぶりの復活白星を挙げた。この日まで13試合で1勝1敗、防御率3・29となっていた。

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