◆米大リーグ ダイヤモンドバックス0―8ドジャース(25日、米アリゾナ州フェニックス=チェースフィールド)

 ドジャースが25日(日本時間26日)の敵地・Dバックス戦で快勝し、ナ・リーグ西地区4連覇を決めた。山本由伸投手(27)は6回無失点で12勝目。

ポストシーズン(PS)は30日(同10月1日)から始まり、ワールドシリーズ(WS)2連覇を目指すド軍は同日からワイルドカードシリーズ(相手未定・3回戦制)に臨む。

 アルコールの香りとチームメートの笑顔に包まれ、山本は充実感に浸った。「たくさん働けた分、最高ですね」。勝てば地区優勝という一戦に先発し、6回4安打無失点で12勝目。オリックス時代から“1人5連覇”の優勝請負人は「(王手で)回ってきたので、集中して投げようと思っていました」とほほ笑んだ。

 渡米1年目の昨季は右肩痛で約3か月の離脱を経験したが、今季は開幕投手を務め、ただ一人、ローテを守り切った。30試合目の登板で、6回には日本人史上7人目の200奪三振にも到達。「今年は相手打者のこともしっかり研究して、自分の投球ができました」。この日は直球が約20%と変化球主体の配球で制圧。17回1/3連続無失点でレギュラーシーズン最終登板を終え、リーグ2位の防御率2・49、被打率1割8分3厘はメジャートップと驚異的な数字が並んだ。

 「エース」の称号を完全にものにした。ロバーツ監督が「大黒柱」と表現した由伸について、大谷は「1年間、ローテーションを1人だけ守ってくれた。

本当に『エース』だと思ってます」と絶賛。長くその座を務め、今季限りで引退するカーショーは「スキーンズ(パイレーツ)も素晴らしい年を送り、サイ・ヤング賞にふさわしいとは思うけど、ヤマ(山本)も匹敵するか、それ以上だ」と“継承者”を褒めたたえた。

 ルーキーイヤーを経て、「緩急」の重要性を再認識した。スプリットなど高速の変化球を武器とする中で、速球に強いメジャーの打者を相手に「1つは遅い球もあった方がいい」とカーブの重要性に着目。速いまま変化するものと、タイミングをズラす緩いものの投げ分けをより意識した。この日も最速79マイル(約127・1キロ)、最遅73・6マイル(約118・4キロ)とカーブだけで最大9キロに迫る球速差をつけ、敵を惑わせた。

 9月は4試合で1勝も防御率0・67。27回で被安打7、34奪三振と圧倒的な力を示し、PSに照準を合わせてきた。「朗希も戻ってきましたし、翔平さんも安定して素晴らしい。僕もチームの勝利に貢献できるように頑張りたい。ますますパワーアップした姿を10月に発揮できたら」。エースとして挑む10月。

大谷とともに、背番号18が先頭に立つ。(中村 晃大)

◆山本に聞く 

 ―今の気持ち。

 「みんなで(優勝を)成し遂げたのですごくうれしく思うし、残り1か月このメンバーとできるように頑張りたい」

 ―開幕からローテを守り切った。

 「1年間、体調よくいけた。去年は間に(故障で)抜けてしまった分、今年は1年チームの戦力としてプレーできたので、すごく良かった」

 ―200奪三振。

 「どの球種も安定して投げられるようになった。今年はそれが一番良かった」

 ―昨年と充実度が違う。

 「シーズンに挑む気持ちは毎年100%で入ってるので、そこは特に変わらないけど、1年間しっかりパフォーマンスできたというのはすごくうれしく感じる」

 ―一番誇れるものは。

 「1年通していいパフォーマンスができたというのが良かった。それが防御率だったり、三振だったり、いい数字につながった。サポートをしてくれた方にすごく感謝しています」

 ―防御率リーグ2位。

 「今年はすごく自分の成長も感じた。

と同時に、未熟なところとか、もっともっとパワーアップしないといけないところを感じた。自分の成長も感じるし、もっとできたなという悔しさもありますね」

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