パ・リーグ 楽天3―4ソフトバンク(26日・楽天モバイル)

 ソフトバンクが逆転勝ちで、リーグ連覇へのマジックナンバーを「1」とした。同点とした7回、なおも1死三塁で栗原陵矢内野手(29)が右翼線への勝ち越し二塁打を放った。

右脇腹痛から8月末に復帰し、9月は絶好調。近藤、柳田ら故障に苦しむシーズンを送ってきた主力が躍動し、3連勝を飾った。日本ハムが勝ったため、この日のV決定はならなかったが、王手をかけ、27日は西武戦(ベルーナD)に挑む。

 苦しい日々を過ごしてきた主力の底力で、正真正銘の王手をかけた。リーグ連覇へ、ついにマジック「1」。2戦連続の決勝打を放ったソフトバンク・栗原は「優勝争いの中で試合に出させてもらって、結果が出てうれしい。おいしいところをもっていけました」と、かみしめた。7回に1死一塁から近藤が中越えに同点三塁打を放った直後。初球のフォークを振り抜くと、右翼線を破る勝ち越し二塁打になった。

 2回までに3点をリードされる劣勢。2点を返した6回先頭でも反撃開始の中前安打を放ち、逆転勝利の立役者になった。9月は20試合で75打数30安打の打率4割、2本塁打、14打点と大活躍。

度重なる故障に苦しんだ今季だが、要所での存在感は見事だ。右脇腹痛から8月29日に復帰。リハビリの終盤には、小久保監督から「9月においしいところを持っていくイメージをしておけ」と連絡をもらっていた。指揮官も「休んだ分やってくれと言っていたら、しっかりやってくれています」と目を細めた。

 「本当にチームに迷惑をたくさんかけた。(前半は)出ている時も成績を残せなかった時期が長くて」と栗原。直前に同点打を放った近藤も、腰の張りを抱えながら出場している。4月の腰の手術をはじめ、故障を乗り越えて踏ん張る主砲の背中に背番号24も「気持ち、めちゃくちゃ入りました」と続いた。22日に合流したばかりの柳田も2安打で、3戦連続の快音。故障に泣いた実力者たちが、V目前で力を示した。

 日本ハムとの一進一退のデッドヒートも終わり、残った仕事は簡潔。小久保監督は「もちろん、あと1勝です」と言い切った。

27日は西武戦(ベルーナD)。自力で決めるだけだ。(安藤 理)

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