◆凱旋門賞・G1(10月5日、フランス・パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)
夢の扉に手をかけている。日本競馬の悲願、凱旋門賞に挑むビザンチンドリーム。
成長を示した一戦だ。出遅れても、中団につけ冷静に追走。直線で進路が開いてからは、自慢の豪脚を繰り出すだけだった。ソジーなど欧州のG1馬相手に快勝。「位置を取れるようになって、馬が競馬を覚えてきている」。手応えは深まった。
本番と同舞台で勝てた意味は大きい。体幹が強く、下りが得意。その点が生き、独特の高低差も苦にしなかった。
シャンティイは思い出の地でもある。父の坂口正則厩舎の助手時代、16年春にエイシンヒカリが10馬身差で圧勝したイスパーン賞の遠征に帯同。今回と同じ小林厩舎に滞在した。「全部初めてで、新鮮でしたね。馬の能力で勝ったようなもんです」と謙遜するが、その経験は財産。シャンティイ調教場は広大な敷地に、様々な施設が点在。今回、状況に応じて使いこなせるのは、縁ある小林調教師のサポートと、自身の経験のおかげだ。
ビザンチンドリームはもともとが叩き良化型。