◆凱旋門賞・G1(10月5日、フランス・パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)
凱旋門賞で田中博康調教師(39)=美浦=はアロヒアリイを送り込む。スポーツ報知では、新進気鋭のトレーナーが思いをつづる4回連載「輝く王へ」をスタート。
読者の皆様、こんにちは。JRA調教師の田中博康です。このたび、スポーツ報知で私の連載コラムを掲載するということで、とてもうれしく思います。今回、憧れの凱旋門賞に、ハワイ語で「輝く王」を意味するアロヒアリイで挑戦させてもらえることになりました。
私は騎手時代にフランスでの騎乗、勝利経験がありますが、調教師試験に合格してからはアンドレ・ファーブル調教師(※)のもとで研修させていただきました。仕事に取り組む姿勢はもちろん、たくさんの管理馬をしっかりと勝たせるところは本当にすごい。素晴らしい調教師です。そしてペリエ騎手、ルメール騎手、スミヨン騎手、バルザローナ騎手、ギュイヨン騎手、ブドー騎手、シュミノー騎手… 今は79歳で、誰もが知る多くの名手をバックアップして育ててきました。
凱旋門賞を勝ちたいと思うことが、調教師を目指したきっかけでもありました。厩舎でも凱旋門賞の話をずっとしていましたし、そういう機会をつくらないといけないと思っていました。
アロヒアリイで海外初戦のギヨームドルナノ賞を勝ちましたが、実は全く自信がありませんでした。
勝った後は若干コンディションが落ちて、凱旋門賞に出走するかの判断に時間を要しましたが、そこからは順調にきています。レースが近づき、一日一日、ベストの仕事をすることを考えています。(JRA調教師)
(※)凱旋門賞で2度の連覇を含む歴代単独最多8勝を誇るフランスの名トレーナー。日本からディープインパクトが参戦した06年に3頭出しでレイルリンクがV。今年はソジー、クアリフィカーで19年ヴァルトガイスト以来、6年ぶりVを目指す。
◆田中 博康(たなか・ひろやす)1985年12月5日、埼玉県出身。39歳。06年3月に騎手デビュー。