◆JERAセ・リーグ 巨人4―2中日(東京ドーム)

 堂々としたデビューを飾った。履正社出身の中日の2年目左腕・福田がプロ初登板。

「思ったより、緊張はしなかった。自分の投げたい球を投げられた」。8回の1イニングを3者凡退に料理し、汗を拭った。

 先頭・中山を遊直、増田陸を三ゴロに打ち取ると、小林に対してはフルカウントからこの日、最速となる高めの151キロで空振り三振。小山2軍投手統括コーチの推薦もあり、巡ってきた1軍の登板機会で猛アピールした。

 150キロ超の先発左腕として期待されながらも、春季キャンプ中の2月12日のDeNA戦(読谷)では、先頭の度会から森敬、松尾に3者連続被弾。3回10安打7失点と洗礼を浴び、ファームでも登板機会が激減したが、表舞台にはい上がってきた。井上監督は「去年、2軍を預かっていた(2軍監督)時に面白いと思っていた」と明かし「4万人の中で投げる気持ち良さ、ここでやってこそプロ野球選手だ」とねぎらった。

 「期待されて(昇格に)選ばれた。もっと頑張ろうと思ったし、意識を高くできるところもある。来年につながる投球だった」。スタートラインに立った有望株は収穫のマウンドに力強くうなずいた。

(森下 知玲)

 ◆福田 幸之介(ふくだ・こうのすけ)2005年8月11日、大阪市生まれ。20歳。小学2年で野球を始め、中学時代は大阪柴島ボーイズでプレー。履正社では1年秋からベンチ入り。3年センバツは初戦敗退。同夏は大阪大会決勝で大阪桐蔭・前田悠伍(現ソフトバンク)に投げ勝ち、甲子園では3回戦進出。23年ドラフト4位で中日入り。今季2軍では19登板で0勝1敗、防御率2・67。182センチ、86キロ。左投左打。推定年俸615万円。

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