巨人の岸田行倫捕手(28)が、大勢投手(26)、岡本和真内野手(29)とともに11月15、16日に東京ドームで行われる侍ジャパン強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025日本vs韓国」のメンバーに選出されたことが2日、分かった。今季途中から扇の要に定着して攻守で飛躍。
勝負強い打撃と強肩で巨人投手陣を引っ張ってきた岸田が世界に羽ばたく。11月の侍ジャパン強化試合・韓国戦のメンバーに選ばれたことが判明した。トップチーム選出は3月に京セラDで行われた「ラグザス侍ジャパンシリーズ2025日本VSオランダ」以来。来年3月のWBCに向けた重要な一戦で日の丸を背負ってマスクをかぶる。
プロ8年目の今季は87試合に出場して打率2割9分3厘、ともに自己最多の8本塁打、39打点。ソフトバンクから甲斐がFA移籍で加入し4月はスタメン出場がなかったが、ライバルの存在を刺激や力に変え、5月以降に出場機会を増やした。後半戦はほぼ全試合スタメンで、4番も打ち、主に5番打者として得点圏打率3割5分9厘。守備でも盗塁阻止率リーグ2位の4割1分9厘とチームに欠かせない存在になった。
3月のオランダ戦では、報徳学園時代に現・チームメートの岡本和真(智弁学園)らと高校日本代表に選ばれて以来の日の丸に「メチャクチャうれしいです」と喜んでいた。2試合に出場して適時打を放ち、守備でも代表投手陣を無失点の好リード。侍ジャパンへの思いをさらに強くした。
今回は過去の国際試合で何度も名勝負を演じてきた長年のライバル・韓国との強化試合。来年3月のWBC1次ラウンド(東京D)でも対戦が決まっている。その前哨戦となる2試合について、井端監督は「強化試合とはいえ勝ちにこだわっていきたい」と重要な実戦と位置づけている。
前回23年のWBCでは捕手はソフトバンク・甲斐(現巨人)、ヤクルト・中村悠、巨人・大城卓の3人態勢で臨んで世界一に輝いた。ドジャース・大谷ら大リーガーの参戦も期待される来年の本大会での捕手の候補には、阪神・坂本、DeNA・山本、オリックス・若月らの名前が挙がるが、岸田も十分可能性がある。
巨人からはセ・リーグの最優秀中継ぎ投手のタイトルが確定している大勢と、不動の4番で日本代表の常連メンバーの岡本も選出される。そんな中で「KISHIDA」が侍バッテリーに新風を吹かせる。
◆来春WBCの侍ジャパン捕手事情 今季ここまで119試合に出場している若月(オリックス)は故障に強く打撃も成長中。メンバー入りが有力視される山本(ドジャース)を知り尽くし、オリックス時代の2度のノーヒットノーランを支えた。ここまで117試合に出場して独走Vに貢献した坂本(阪神)は、ダルビッシュが認めたフレーミングが光る虎の頭脳だ。甲斐、大城卓ら捕手の層が厚い巨人で後半戦から正捕手となった岸田の評価も急上昇中で、正捕手争いは混沌(こんとん)としている。