俳優の成河が17日、東京・池袋の東京芸術劇場シアターウエストで舞台「ナルキッソスの怒り」(18~30日)の公開ゲネプロを行った。

 ウルグアイの劇作家セルヒオ・ブランコによる作品の日本初演。

リアルと虚構が交錯する「オートフィクション」構造の演劇で、成河による一人芝居で表現される。

 成河は「非常に特殊な様式で書かれていた戯曲。そのまま翻訳して日本で上演するのはほぼ不可能な状態だった」とオファーを受けた当初の戸惑いを告白。「この様式を上演するために1年間準備してきた」と、演出の藤田俊太郎氏、翻訳の仮屋浩子氏との上演台本作りにも心血を注いできたという。

 藤田氏も「劇作家が作家という自分自身を登場させた作品。だからこそ、その劇作家をどのようにして日本版にアジャストするのか」と、日本で上演することを踏まえた台本作りへの苦労を明かした。「ああでもない、こうでもないと言いながら、時に思いっきり立ち止まり、そして時に思いっきり進みながら積み重ねてきた」と試行錯誤のすえの自信作となった。

 2時間の公演時間、成河は観客にしゃべりかけ、対話をし続ける。成河は「2時間、1秒たりともどこかに行かないでずっと話しかけるっていうのは初めてになる。その状態で(観客を)どこに連れていけるのかということは非常に鍛えられるというか、これまでの自分のやってきたことが問われる」と新たな挑戦に手応え。「その日のお客様がその時の完全な共演者になるんですね。しっかりと手をつないでそこを乗り越えていけるような、体験したことのない劇場体験ができると思います」と胸を張った。

編集部おすすめ