今月限りで現役引退する障害の名手・石神深一騎手(43)=美浦・フリー=の引退式が18日、全レース終了後の中山競馬場のウィナーズサークルで行われた。

 たくさんのファンが見守る中、多くの騎手仲間や競馬関係者から約25年間の活躍をねぎらわれ、最後に3度胴上げされた。

石神騎手は「本当にうれしいですね。いつも以上に大きな声をかけてもらい、こんなに応援してくれる人たちがいるんだなと改めて思いました」とかみしめた。

 その声援に後押しされてベストを尽くした。この日は中山グランドJにプラチナトレジャーで挑み、現役最後のJG1は8着に終わった。「結果は残念ですけど、これまでJG1にいっぱい乗せてもらいましたし、楽しい思いをさせてもらいました」と感慨深げに振り返って、数々の名勝負の記憶が胸に去来した。

 障害界の絶対王者に君臨したオジュウチョウサンとは、JG1・9勝の偉業を成し遂げた。22年には小倉サマーJをアサクサゲンキで制して、史上初の障害重賞完全制覇(10競走)を達成した。

 来週末の京都で予定している2鞍が最後の騎乗となるため、場内インタビューでは「まだ引退ではないので、来週もあるので緊張しています。どうやったら勝てるのかなと考えています」とファンの笑いを誘う一幕もあった。とにかく負けず嫌いな勝負師の横顔が、いつしか柔和に見えた。

(坂本 達洋)

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