◆明治安田J1百年構想リーグ西▽第11節 広島2―0長崎(18日・エディオンピースウイング広島)

 日本代表・森保一監督が18日、広島―長崎戦を視察した。かつて選手、コーチ、監督として過ごした広島で、16日に肺炎のため亡くなった恩師で広島初代総監督の今西和男さん(享年85)を時折、涙ぐみながら悼んだ。

以下は試合後、報道陣と森保監督の主な問答。

 ―(日本代表の広島GK)大迫がよく守った。

 「無失点に抑え、ディフェンスラインをオーガナイズしていた。ピンチを未然に防ぐことをリーダーシップをもって、きわどいシュートもしっかり準備してストップした。彼のよさが出ていた」

 ―今西さん弔問は。

 「これから(自宅に)お伺いさせて頂き、御礼とお別れを伝えに行く。(故郷長崎から)18歳で広島に来た私に、父のように接して下さり、恩師として温かく厳しく指導をされることもあって、本当にサッカー選手として、ひとりの社会人として半人前の自分を育てていただき感謝しかない」

 ―今西さんが育てたクラブが、きょう2万5000人超の集客。

 「今西さんがマツダ時代から掲げられてきたフィロソフィーができていて、DNAとして引き継がれている。きょうの試合も(下部組織出身の)ホームグロウン選手がスタメンで6人、サブも3人いて計9人。同じチームでこれだけ育成出身の選手がいるのも、Jリーグで数クラブしかない。寮を作ったり、先見の明をもって育成型クラブとしてチームづくりされたことが、今につながっている。今西さんの魂が、DNAが、ここに生きている」

 ―弔問で何を伝えたい。

 「まずは御礼を言いたい。私自身、サッカー選手として指導者として人として指導して頂いて今があるので、ありがとうございましたと。これから北中米W杯に我々挑むので、今西さんから教えてもらったことを監督として生かしていきながら、世界一に向けて(戦う)。世界に挑む姿勢を(天国で)喜んでもらいたい」

 ―きょうは、くしくも元広島選手の高木琢也監督が率いる長崎が相手。

 「ここに今西さんの魂があって、門下生の私や高木さんがここにいるということは、今西さんが呼んで下さったのかな」

 ―広島は指導者も多く輩出している。

 「常に物事の考え方、切り口を考えさせて下さり、環境づくりをして下さった。選手時代からコミニケーション、人に何か伝えるとか、あらゆるところで研修のような時間を作って下さった。組織として考えるべきことは何なのか、オンザピッチ、オフザピッチの部分。選手として指導者として生きている」

 ―森保さんが感じる今西イズムとは。

 「育成と組織力。ピッチ上ではその組織力を生かすために、チームのコンセプトのなかに個々のよさを生かしていく。お互いが協力し合って助け合って、チーム一丸となって戦うというところは今西さんが考えられていた根幹。

日々のトレーニングに全力を尽くし、切磋琢磨(せっさたくま)しながらも、試合のときは協力して戦う。今西さんから教え伝えられたことが今も生きている。ひたむきに取り組むことはチームとしてやり続けている」

 ―いい選手である前にいい社会人であれが教えだった。

 「今も心の中に刻まれている。これからもその思いをもって生きていく。今西さんはいつも周りに人がいた。人と真摯(しんし)に向き合い(言葉につまり涙ぐむ)相手に真摯に時間を使って丁寧に接してきたというところを見させてもらい、人が多く集まってくる人だなと思っていた。私自身も今西さんのようにはなれないが、自分が関わる人に、尊重の気持ちで接していきたい」

 ―今西さんは被爆者でもあった。きょうは広島―長崎戦。

 「めちゃくちゃ今、天国で喜んで下さっていると思う。今は人々が楽しい時間を過ごせているが、原爆が落とされたときは多くの方々の命がここでなくなった。今西さんも被爆されたなかで、悲惨な歴史がある場所にこうやって人が集まって、豊かな人生を感じられる場所に変わったことを喜んでおられると思う。

私も今西さんから教わった考え方のなかで、チーム一丸となってタフに粘り強く最後まで戦い抜くということを広島時代も日本代表としてもチームの大きなコンセプトとして、姿勢の部分では選手たちに伝えている。今西さんも大変な思いをしながら人生を歩まれて、広島の街が原爆から復興にむけて大変な思いをして歩んできた歴史を知っておられるので、我々にもひたむきに粘り強く我慢強く戦い抜くことを教えて下さった」

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