◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 期待が高かっただけに“肩透かし”とも言える状況が続いている。高橋宏、金丸のダブルエースに、新設されたホームランウイング―。

開幕前の各スポーツ紙では、中日の順位予想に「Aクラス入り狙える」「阪神の対抗馬」など、高く評価する声が並んだ。

 だが、球団創設90周年の開幕戦は広島にサヨナラ負け。そこから5連敗を喫した。守護神・松山、上林が出遅れ、岡林、サノーが負傷離脱。アクシデントが続出した。遠い1勝に、ネットで厳しい声があふれる中、その責任を痛感していたのは井上一樹監督だった。「負けてばかりで世間も『何してるんだ』ってなるのは当たり前。一つずつ、切り替えて、と自分に言い聞かせてる」と唇をかんだ。

 現状打破へ試合の映像と対峙(たいじ)する日々。借金6となった7日のDeNA戦(横浜)後、指揮官のスマホの通知音が鳴った。メッセージの送り主は、阪神ヘッドコーチ時に監督を務めた矢野燿大氏だった。「俺は、どんな状況でも、監督室を出る時は“かっこいい姿”を見せてやるって決意をもって、グラウンドに行ってたよ」―。

矢野政権だった2022年には開幕9連敗を経験したが、最後は3位まで、はい上がった。監督経験者からの言葉が心に染みた。

 14日の広島戦(豊橋)の前日には、「豊橋(名物)は、ちくわだろ? ここで勝って、見通しよくなるんじゃないか」とユーモアを交えて選手を鼓舞。「かっこいい姿ではないけど、普段通りの姿を見せないと、勝ちも転がり込んでこないかなと思うから」と笑った。豊橋では勝ったが、現在4連敗中。勝ちに飢える井上竜の底力に期待したい。(中日担当・森下 知玲)

 ◆森下 知玲(もりした・ちあき)2018年入社。24年から中日担当。

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