日本ボクシング史上最大規模の決戦、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥とWBA、WBC&WBO世界スーパーバンタム級1位・中谷潤人の東京ドーム決戦は5月2日にゴングが鳴る。ファイトウィークに突入し、スポーツ報知では総力取材で世紀の対決を徹底分析する連載をスタート。

第1回は、中谷が今、感じることをつづるコラム「BIG BANG!」特別編。「ベストとベストの対決」と位置づけ、「パンチ力は負けていない」と力を込めた。(取材・構成 谷口 隆俊)

 試合が近づくにつれ、井上選手を意識する気持ちは大きくなっています。19日までのロサンゼルス合宿で、5月2日、井上選手に勝つために100%で動けるよう、内容の濃い練習をしてきました。スパーリングでは、自分ができることを、より把握して伸ばし、プラスアルファとしては、こういう動きが必要と思った時に、どんなリアクションで動くことができるかなど、いろいろと試してみました。そんな積み重ねをして、素早いリアクションや自然な反応で対応できるよう、鍛錬してきました。

 練習はきつくても、成長につながると思える時間は楽しいです。ベストの選手と戦うためにはベストに仕上げないといけない―。「ベスト」と「ベスト」が戦うという気持ちでいますから、自分に足りないところや弱い部分にフォーカスして仕上げていかないといけません。一方、井上選手と向き合った時には相手の弱いところを突いていくわけですから、レベルアップするためには、そこに目を向けていくこともすごく大事にしています。その過程は、自分自身がレベルアップしていくということそのもの。自分の成長を実感をしながら練習ができていると感じられるのは僕にしかできないことだから、それを楽しまないわけにはいかないよな、という気持ちです。

 周りの人に「僕のパンチの質は?」と聞いてみると、「結構、硬いパンチ」と言われます。硬い打撃で人を殴れば痛いですし、ダメージは与えられます。でも「パンチ力」とは、硬いということよりも「タイミング」だと思っています。いかにも気を抜いているような時、いつ飛び出すか分からない時、バランスが悪い時…、パンチはいろんなタイミングで出てきます。僕は「タイミング」で人は倒れると思っているので、その状況をいかに、どう作っていくかが大事なプロセスだと考えています。硬いパンチにタイミングが合ってくることによって、より深いダメージを与えられます。その「タイミング」が分かるようになって「パンチ力」がついたという感覚になると思いますし、その「タイミング」を作っていけるように組み立てていくことこそが、ボクシングの醍醐味だと思います。

 もし「井上選手のパンチの質は?」と聞かれても、対戦したことがないので何とも言えません。ただ、試合を見ている限り、やはり「タイミング」に優れている選手だと思います。井上選手も「タイミング」は大事にしているんじゃないかなって感じます。

 でも、僕の「パンチ力」は負けていないと思います。

 僕の大きな目標は、米リング誌のパウンド・フォー・パウンド(全階級での最強ランキング)で1位になること。

そのために、井上選手は勝たなくてはならない相手です。4階級制覇王者と3階級制覇王者の対決。自分には誇りであり、この状況にいられるということがすごく光栄です。たくさんの人から求められて、戦えることは、プロボクサーとして、すごくあるべき姿だと思っています。思う存分、いいパフォーマンスをするだけ。そして、勝ちます。感謝! 感謝!(世界3階級制覇王者)

 〇…中谷は決戦まであと5日となった27日も相模原市内の所属ジムで汗を流した。実戦練習は行わず、ジムワークなどで感覚を研ぎ澄ませた。弟の龍人マネジャーによると「試合まで残りは調整」としており、状態については「もちろん体調、バッチリです」と自信を示した。中谷自身も23日の公開練習で「今発揮できる自分自身というのを、存分に、悔いなく発揮したい」と話しており、100%の仕上げでリングに上がる。

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