大相撲夏場所(10日初日、東京・両国国技館)を前に横綱審議委員会(横審)による稽古総見が1日、国技館の本土俵で行われた。1年ぶりに一般公開され、約5500人が見守ったが、横綱・大の里(25)=二所ノ関=は申し合い稽古に参加せず、夏場所に向けて調整に不安を残した。

豊昇龍(26)=立浪=は3大関を相手に最多の17番と精力的に汗を流し、両横綱は対照的だった。

 大の里は土俵に背を向けて歩き出した。約5500人のファンが見つめる中で、土俵下ですり足などの基礎運動を行ったものの、土俵に上がらずじまい。土俵で仕上げのぶつかり稽古が行われている間に帰路に就き、存在感を示す場面もなかった。報道陣の取材にも応じることはなかった。

 夏場所出場へ暗雲が垂れ込めた。横綱、大関による申し合いの誘いを大の里は断ったという。「横綱と大関でやろうと朝、会場に着いた時に話をした。大の里横綱はやらないと聞いて4人でやった」と豊昇龍。相撲を取れない状態だとしても、稽古場にいるのは横綱としての最低限の責務だ。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「用事があったんじゃないの?(ぶつかり稽古で)胸ぐらい出してくれるかなと思ったが、その辺もまだまだ。お客さんもいたし、自覚が欲しい」と苦言。

横審の大島理森委員長(79)も「若手の成長を見ていただく、見守ることも(横綱の)責務かもしれない」と話した。

 昨年11月の九州場所で左肩を痛め、千秋楽を休場。今年の初場所は10勝5敗で乗り切ったが、3月の春場所で4日目から休場した。今回は、ここ2場所と比べても調整遅れは明白で、同理事長は「稽古できる状態ではないんだと思う。出てきてほしいけど(稽古で)馬力をつけないといけない」と奮起を促す。夏場所は2連覇中で「いい結果で(6月7日の)誕生日を迎えたい。好きな時期」と話していた大の里。出場するつもりならば、急ピッチでの調整が必要だ。(山田 豊)

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