北中米W杯の日本代表メンバーが15日に発表され、ドイツ1部フライブルクのMF鈴木唯人(24)が選出された。プロキャリアを始めた清水で当時スカウトだった兵働昭弘氏(現清水ユースコーチ)が祝福した。

 5月3日に右鎖骨を骨折し、代表選出も危ぶまれていた鈴木唯。逆境を乗り越え、日の丸を背負うことになった。兵働氏は「率直にうれしいですね。清水に入団してからは苦しい時間も過ごしてきたと思いますが、チャンスを与えられた時に結果を出して、主力として出る時間が増えていった。彼の真面目さというか、サッカーに対する貪欲さがW杯出場につながった」と目を細めた。

 兵働氏が鈴木唯を初めて見たのは、現役引退翌年の19年。スカウト転身1年目だった。当時、市船橋高で背番号10を背負っていた鈴木唯に強烈な印象を受けたという。「1人でドリブルして2、3人をはがして、自分でゴール前まで運んでいく。攻撃のところで、人が持っていないものを彼は持っている印象を受けました。追いかけたくなって何試合も見て、十分プロで通用すると思ってスカウトしました」

 複数クラブからオファーが届く中、鈴木唯は「自分が成長できる場所」として清水入りを決断。高卒1年目の20年は、コロナ禍によるリーグ中断期間を経て頭角を現し、7月のデビュー以降はリーグ30試合に出場した。

23年にはデンマーク・ブレンビーへ移籍。2シーズンで21得点を記録すると、今季加入したフライブルクでも、欧州5大リーグ初挑戦ながら公式戦9得点7アシストと結果を残している。兵働氏は「自分はあくまでキッカケを作っただけ。その当時の監督さんだったり、エスパルスが彼を気に入ってくれて、プロのスタートを切りたいと思ったはず。現場スタッフやチームで頑張った結果だと思います」と謙遜した。

 W杯では左シャドー(1トップ後方の攻撃的MF)候補として期待される。兵働氏は「彼のドリブル突破や攻撃面での突破力はもちろん、守備の献身性も非常に評価されていると思う。攻守両面でハードワークしてほしい。まずはケガをしっかり治して、万全の状態に戻ってほしい」とエールを送った。

 ◆兵働 昭弘(ひょうどう・あきひろ)1982年5月12日、千葉県白井市生まれ。44歳。八千代高から筑波大に進み、2005年に清水入団。

ミドルシュートが武器のレフティー。1年目の後半から主力に定着し、中盤の一角を担う。柏などでプレーした後、18年に清水に復帰。J1通算196試合17得点。同年に現役引退してからは強化部のスカウトを主に務めて、今季からユースコーチに就任した。昨年B級ライセンス取得。

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