◆サッカー北中米W杯▽1次リーグF組第3戦 日本1―1スウェーデン(26日、ダラス競技場)

 日本代表DF長友佑都(39)が、日本人初の5大会連続W杯出場の偉業を果たした。1―1の後半30分から今大会初出場し、左ウィングバック(WB)で闘志あふれるプレーを披露。

自身が持つW杯日本人最年長出場記録を39歳286日に更新し、「W杯、マンマミーア(イタリア語で、なんてこった)」と、前回大会の「ブラボー」に続く名言も飛び出した。酸いも甘いも知るベテランが、決勝T1回戦でのブラジル撃破と「W杯優勝」に向け、チームを鼓舞し続けていく。

 熱狂の舞台が誰よりも似合う。人生の全てを懸けて突き進んできた長友が、日本人初の5大会連続W杯出場の金字塔を打ち立てた。39歳でのW杯出場はアジア人最年長記録で、W杯通算16試合出場も洪明甫(韓国)のアジア最多記録に並んだ。アディショナルタイムを含めた22分間のプレー。試合後のインタビューになっても興奮は収まらない。

 「いや、W杯、マンマミーア。マンマミーア。もう4年間このために準備してきたから、マンマミーア!」

 出番は1―1の後半30分。「魂の叫びかってくらい、後輩たちが後押ししてくれた。えぐいくらいのサポーターがいました」と仲間に背中を押され、白いヘアバンドを巻いて左WBでピッチに立った。

自身が持つW杯日本人最年長出場記録を39歳286日に更新した鉄人は球際で激しい守備を見せ、好機には左サイドを駆け上がり、クロスも上げた。過去4大会は全15試合先発出場。初の途中出場という難しい局面も関係なかった。「4年間、このためにやってきたんで本当に興奮した。W杯でしか味わえないこの瞬間をまた味わえることができて非常にうれしい」。試合を締め2位での決勝T進出に貢献した。

 前回カタールW杯、16強敗退直後は現役引退も頭をよぎったが、同大会決勝のアルゼンチン―フランスの激闘に魂を揺さぶられて現役続行を決断した。一度は自らの手で幕を下ろそうとした3年半前の自身へのメッセージを聞かれると、「お前、やめなくてよかったな。なんでそんなこと考えてんだ。ふざけんな、ということを4年前の自分に言いたいですね。こんな素晴らしい景色がまた見れるなんて4年前は思ってもいなかった」と、自らの歩みを振り返りながら明かした。

 前人未到の記録達成の余韻に浸ったのはスウェーデン戦限り。

決勝T1回戦ではブラジルと日本サッカー史上最大の戦いに臨む。「優勝するには絶対に乗り越えないといけない壁。見ててください。楽しい、素晴らしい試合を見せます」。5度目のW杯出場とともに、言霊のように言い続けてきた「W杯優勝」。自身との約束を果たした長友が、今度はチーム全員で壮大な夢をかなえる。(後藤 亮太)

 ―5大会連続出場の心境。

 「本当にたくさんの仲間、家族もサポーターも含めて、たくさんの方に支えられて、ここまで来られたのでまずは感謝したい」

 ―今まではベンチから鼓舞して送り出す側だったが、今回は後輩から激励されて送り出された。

 「出てる選手に勇気を与えたい、絶対孤独にさせないと思っていた気持ちが彼らに響いてた、届いてたんだなと思った。それを彼らが逆に体現してくれた。また結束力が深まると思いますね。心のつながり、魂のつながりを感じました」

 ―日本人初の5大会連続W杯出場を決めた自分に言ってあげたいこと。

 「まだまだこんなもんで終わるなよと。メッシ、C・ロナウドは6大会出てますからね。上には上がいるんで、もうこんなところで満足するな、じゃないですか。あとは本当に優勝を目指しているので、優勝するまでは満足できないです」

 ―初めてW杯優勝国と決勝Tで激突するブラジル戦に向けて。

 「壁は高いかもしれないですけど、その壁を乗り越えた時にチームのボルテージの上がり方は、たぶん今まで見たことのないレベルに到達する。これを乗り越えた時にすごい景色が待ってます。すごい日本代表が待っていると思います」

 〇…長友はベースキャンプ地の米ナッシュビル入り後、日の丸と「5」が記された白の特製ヘアバンドを着用していたが、今回のスウェーデン戦は日の丸や背番号の文字はなく無地だった。純白ヘアバンドの理由について、協会広報は「練習とデザインが異なるのは、FIFAのレギュレーションにのっとったものにする必要があるためです」と説明。今後の試合に関しては、日の丸ヘアバンドは封印されることになりそうだ。

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