◆第108回全国高校野球選手権大会第6日 ▽1回戦 横浜7―2沖縄尚学(10日・甲子園)
横浜(神奈川)が、1回戦屈指の好カードとなった昨夏覇者・沖縄尚学との初戦を制した。今秋ドラフト1位候補の最速157キロ右腕・織田翔希投手は、8回2/3を投げて2失点、12奪三振と好投。
慣れ親しんだマウンドではなく、右翼にいても織田は甲子園を楽しんでいた。9回2死、最後の打球が中堅手のグラブに収まると、右中間最深部から笑顔で整列に加わった。先発して9回2死まで2失点と好投し、春夏の甲子園での球場表示で歴代最速にあと1キロに迫る154キロをマーク。聖地では自身初の2ケタとなる12奪三振で昨夏の覇者を封じ、「やっぱり楽しいな、と。(右翼守備で)甲子園のあそこまで行けて、景色も見ながら帰れたのですごく良かった」と笑みがこぼれた。
剛ではなく“柔”の投球で王者を封じた。速球対策を講じた相手に対し、カーブ、フォークを交えて12個中8個が変化球での奪三振。巨人スカウトのスピードガンでは、最速155キロを計測した直球に照準を絞る相手打線を手玉に取った。8回1死では102キロのスローカーブも交える“遊び心”も忘れず、「球速よりもしっかりと空振りを変化球で取ることができた。そちらの方がうれしい」。
今夏、チームの合言葉は村田浩明監督(40)発案の「甲子園を楽しむ」。その言葉通りに、昨夏の甲子園V左腕・末吉とのマッチアップも楽しんだ。「(先発で)来てほしい。投げ合ってみたい」と意識していた相手に投げ勝ち、打撃でも2打数無安打に封じた。試合後は「ありがとう」と言葉を交わし、「自分も学ぶところもあった。すごく楽しかった」と振り返った。
ネット裏にはNPB12球団が勢ぞろい。さらにドジャース、ヤンキース、メッツ、パドレスなどMLB球団のスカウトも集結して熱視線を送った。日本ハム・大渕GM補佐兼スカウト部長が「(球速も)いつでも出せるという感じで、楽しんでいる感じもある」と言えば、米大リーグ・メッツのカン国際スカウトディレクターも「体が確実に強くなって、去年と比べて球速も球威も増した。(潜在能力は高校球界で)まず上位でしょう」と絶賛した。
指揮官からは、怪物を超える大怪物への進化を期待される今夏。
◆織田 翔希(おだ・しょうき)2008年6月3日、北九州市生まれ。18歳。足立小1年で野球を始め、3年から投手。足立中では軟式野球部。高校では1年春の県大会からベンチ入り。同秋の関東大会準々決勝の東農大二戦で、公式戦初完投初完封。明治神宮大会でも準々決勝で明徳義塾を2安打完封。
◆記録メモ
◆横浜投手初の3大会勝利 織田翔希が8回2/3を投げ12奪三振の力投で白星。これで甲子園通算7勝目。横浜投手では、松坂大輔11勝(98年春5、夏6勝)に次ぎ、愛甲猛7勝(78年夏1、80年夏6勝)に並び、2位タイ。25年春3、夏3、26春0、夏1勝と、甲子園3大会に勝利は、横浜投手初。
◆横浜投手7人目の1試合2ケタ奪三振 織田は甲子園で自身初の2ケタ奪三振。夏の横浜投手では、78、80年愛甲猛2度、98年松坂大輔3度、01年畠山太2度、04年涌井秀章3度、13年伊藤将司、16年藤平尚真に次ぎ、7人目(13度目)。
◆スカウトの評価
巨人榑松スカウトディレクター「ストレートの力強さは毎回出てくるたびに上がっている。
DeNA木村球団社長兼チーム統括本部長「魅力的ですね。興味を持って見に来ています」
中日永野チーフスカウト「いつもよりゾーン内で勝負できていた。一番の魅力は真っすぐのスピードと角度。角度があれば変化球の落差も出る」
楽天沖原アマスカウトグループマネジャー「真っすぐ、スライダー、フォークと全てがいい。余力残しでこれだけ投げられるのだから、言うことなし」










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