巨人の新監督に球団OBでヤンキースなど米大リーグでも活躍した松井秀喜氏(52)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=が就任することが23日、分かった。現役時代は巨人で背番号「55」の4番打者として圧倒的な成績を残し、日米通算507本塁打をマークしたレジェンド。

来季は2002年オフ以来24年ぶりに古巣に復帰し、来季は25年ぶりに「GIANTS」のユニホームを着る。

 夢じゃない。現実だ。90年以上の巨人の球団史に新たな超ビッグニュースが刻まれた。レイズでプレーした2012年限りで現役引退後は米ニューヨークを生活の拠点とし、ヤンキースの若手を指導してきた松井氏。ファンの間で将来的な監督待望論は常にあったが、ついにその時が来た。

 米国でも巨人の結果はいつも気にしていた。今年2月の春季宮崎キャンプでは2年ぶり5度目となる臨時コーチを務め、高卒2年目の石塚に身ぶり手ぶりを交えてアドバイス。「これからのジャイアンツを背負って立つ選手になれるのではないか」と期待していた。滞在中には中山、泉口らから多くの質問を受けて丁寧に助言を送っていた。

 チームは今季、阿部監督が5月下旬に辞任。交流戦から橋上監督代行が指揮をとり、シーズン最終盤まで阪神と優勝を争った。

レギュラーシーズン最終戦まで優勝の可能性を残したが、76勝64敗3分けで阪神に2・5差届かず2位。10、11日のCS第1S(東京D)では3位のDeNAに連敗して敗退した。11日の試合後にはファンからブーイングも飛んだ。

 絶対的なレギュラーがほぼ不在だったこともあり、多くの若手が出場機会を得て経験を積んだ。その選手たちは来季、さらに突き抜けて、飛躍することが求められる。球団はファンの期待に応えて強いチームを作るために、松井氏にかじ取りを託すことを決断した。

 松井氏にとって最大の恩師は巨人時代の監督だった長嶋茂雄さん。ドラフト4球団競合の抽選で怪物・松井の当たりくじを引き当てたミスターは「4番1000日計画」として毎日素振りの特訓を課した。自宅やホテルの一室で徹底的に素振りに付きあってスイングをチェック。バットが空気を切り裂く音で会話していたと言われるほどだった。

 13年には2人で国民栄誉賞を受賞。21年の東京五輪開会式では国立競技場で長嶋さん、ソフトバンク王貞治球団会長と3人で聖火ランナーを務めた。

 昨年6月3日に長嶋さんが肺炎のため89歳で亡くなった。訃報(ふほう)を聞き、米ニューヨークから緊急帰国。日本時間4日午前4時過ぎに羽田空港に到着して都内の長嶋さんの自宅に直行した。2時間を超える弔問を終えた後に取材対応し、今後どのように長嶋さんの思いを継承したいかとの質問に「長嶋監督と生前、約束したこともあります。ここでは今はお話しすることができませんが、その約束を果たしたいなと思っています」と話した。

 昨年11月21日に東京ドームで行われた長嶋さんの「お別れの会」では、弔辞「お別れの言葉」を述べた。「自分の野球人生の中でかけがえのない、一番大きな存在。やっぱり、自分の最も愛する人なのではないかなと思います」と感謝の思いを口にしていた。

 長嶋さんが愛した巨人を強くする。その使命を胸に秘めるレジェンドOB、第21代巨人軍監督・松井秀喜監督が誕生する。

 ◆松井 秀喜(まつい・ひでき)1974年6月12日、石川県生まれ。52歳。

星稜時代に甲子園に4度出場。高校通算60本塁打。92年ドラフト1位で巨人入団。リーグMVP3度、首位打者1度、本塁打王、打点王各3度獲得。2003年にヤンキースにFA移籍。09年ワールドシリーズで3本塁打を放ち同MVP。エンゼルス、アスレチックス、レイズを経て12年限りで現役引退。13年に恩師の巨人・長嶋茂雄終身名誉監督とともに国民栄誉賞受賞。日米通算2504試合、打率2割9分3厘、507本塁打、1649打点。

編集部おすすめ